#011 タイT*事情


 今回は、いずみが96年夏に行った、はじめての海外旅行先であるタイのおはなし。

 タイと言えば、多くの日本のひとは「売春」か「リゾート」を思い浮かべると思います。前者について言えば、実際、首都バンコクにはそのよーなお店が集中する区画が、普通のビルが林立する中にいくつか点在しています。周囲はすべて普通のオフィス街っぽいのに、その1画に入ると、まばゆいネオンが光る、にぎやかで怪しげな店が忽然と現れる、とゆー(^^)。なかなかシュールなんですよね。もちろん、現地の人たちにとっては普通の光景なんですけど(^^;;)。

 さてさて、しかし、我々ご一行(あっ、行ったのはいずみと社長とKくん。まぁ社員旅行みたいなもんですか(笑))は、そのようなことには興味がありません。いや、実際はバンコク第2のそれ系の界隈、ソイ・カウボーイに行って、ゴーゴーバーには行ったんですけど、そこではひたすらビールを飲むだけ!(^^)あっ、ゴーゴーバーってゆーのは、カウンターの内側にお立ち台みたいなとこがあって、そこでディスコサウンドにノっておねーちゃん(って言っても、みなさん20歳前後(^^;;))が踊ってて、で気に入ったコを客が指名して、するコトしにいく、とゆーとこなんですけど、表向きはあくまでも「ふつうのバー」なので、ただ飲むだけ飲んでても可なんですね(^^)。お代も、セブンイレブン(今やタイ中至るところにある!)で買うのの3倍はしない(小ビン1本300円くらい)し、にじりよってくるおねーちゃんたちをカタコトの英語やタイ語で追っ払うのも楽しい(らしい:いずみはどっちもニガテで、実際おねーちゃんにすりすりされて困り果ててたんです…(;_;))、とゆーことで、屋台で飲むのに飽きたらゴーゴーバーで飲む、とゆーのが、今後のタイ行きのパターンになりそうです(^^;;)。

 で、普通だったら、ここから旅行記でも書くとこなんでしょうが、あまりにありきたりすぎるので、ここは、みなさんご期待の、タイT*事情でも綴ることにしましょう(^^)



 どういう背景があるのかはよくわかりませんが、タイでは、各種のサービス業で、T*がごくふつうに、たくさん働いています。代表的なのは美容院・オカマバー・それと売春(u_u)ですが、それ以外、たとえば普通のレストランやホテルなどでもしばしば見掛けます。
 美容院の場合、タイでは、女性の髪を男性がいじるのは「よくないこと」とされているらしく(タイは小乗仏教で男尊女卑)、そこで「どちらでもない」T*の登場となるそうです。
 オカマバーは、ほぼ日本と同じ感じなのではないでしょうか。一流半くらいのホテルの中にショー専門のお店もあったりして、けっこう「認められてる」ってゆー感じです(^^)。
 最後に売春ですが、これはいろいろなタイプがあるそうです。白人観光客はどちらかと言うと美少年を買うそうですが(タイ第3の都市チェンマイの食堂で、いかにもそーゆー雰囲気の白人中年と現地美少年を見かけました(^^;;))、T*関係も人気はあるそうです。
 ただし、ちょっと、なんともコメントしづらいのが、特に売春関係で「自らの指向性とは無関係に、お金のためにそう振る舞う」とゆーケース。完全にMMFなのに、お金のためにむねつくって客をとる、とゆーケースもあるそうです。確かに、東北部では未だに年収5000円の世界だそうで(参考までに、貧しくない農家だと年収50,000円、都市部のサービス業だと200,000円、理系大卒エリートの初任給が1,200,000円、とゆー収入状況)、「主要な産業は、女の子をつくってバンコクで売らせること」なのですから、美少年が生まれたら、「一家の生活のために」あたりまえのようにそーする、ということだったりします…。うーん…



 …とゆー、厳しい現実のお話はそれはそれとして、いずみが特に注目したのは、これら以外の、ふつうのお店でふつうに働いているT*たちの姿です。
 いずみが実際に「客と従業員」とゆー関係で接したT*さんは、3泊のバンコク滞在中に2人いました。

 まず最初は、ごく一部で有名なホテル、Mです。ここ、空港から直接ブッキングできるホテルの中では最も安いホテル(ツインで1泊2,000円くらい)。「ホテル」と名乗る以上、冷房・バス・トイレ・テレビ・冷蔵庫などは一応、あります(^^)。ただ、全体にガラはよくありません(^^;;)。日本人男性客を見掛けるとボーイが「オンナ、イルヨ」とか日本語で話しかけてきたりします(^^;;)。日本人観光客は多くなく、中長期滞在の白人の常泊場になっているようです。
 バンコクについてすぐ、社長と2人でタクシーで直行、チェックインしようとしました…すると!いきなり、カウンターレディ…いや、レディなのでしょうか?(^^;;)ちゃんとお化粧して、地味めのワンピース着て、清楚なふるまいなのですが…声も、ぎりぎり低音の女性に聞こえなくはないのですが…(^^;;)
 で、カタコトならタイ語がしゃべれる社長がいろいろ話(といっても事務的な話)してたら、…コトバづかいが、コトバづかいなんですねこれがっ(^^)  タイ語では、英語の"please"にあたる語として「カップ」「カー」というのを会話の語尾にやたらつけます。で、「カップ」は男性用、「カー」は女性用なのです(北部では女性は「チャオ」。怪しげな洞窟を観に行ったとき、いろんなものを観光客相手に売る現地の少女たちがみんな「チャオチャオ」言ってて、とってもかわいかったです(^^))。そして、件のカウンターレディは、…「カップ」、使ってるんですねこれがっ!(^^)
 社長もいずみも、なぜか、T*リードが当たっちゃうひとびとなんで(だから何なんだ(^^;;))、彼女についてはひとめ見た瞬間から「…(^^;;)」とは思ってたんですけど、このコトバづかいで、「なるほどー」って感じ(^^)。
 ちなみに、後で合流したKくん、彼女のこと、リアル女性だって疑わなかったです。だからおそらく、タイ語がわからない観光客に対しては完全パスパスパス、って感じなんでしょうね(^^)。

 次に見かけたのは、タイを発つ直前、社長といずみと、現地在住の怪しげな日本人、現地に研究のため滞在中の某国立大助教授の4人(ちなみに他のお2人は、社長の大学時代の同級生)でお食事した、けっこう高級な大衆レストランです。「高級な大衆レストラン」とゆーのも妙な言い回しですけど、現地の中流家庭が、たまに、でも気軽にお食事する、とゆー感じのとこです。オープンスペースで、でっかいステージがあって、生バンド演奏もあります(でも演奏レベルはそれなりに…でした(^^;;))。だいたい300人くらいは入れるとこで、ウェイター・ウェイトレスさんたちがたーくさん、きびきび動いてます(こーゆーとこでよくあることらしいんですけど、トイレに行くと、おしぼりを渡されます。で、受け取ってしまうとチップを要求されます(^^)。だから、セコく済ますには、おしぼりを「絶対に受け取らない!」とゆー覚悟が必要なんです(^^;;)。が、これが難しいっ!(^^;;)ほんとに、きびきびっと、瞬間的に渡されてしまうのです(^^;;))。
 そんな中、1人、いましたっ!(^^)。制服はウェイターなんですけど、髪、おだんごにして、真っ赤なリボンつけてる(^^)。背は高くって、細身で、顔はキムタク系(^^)。で、他のウェイターたちといっしょにしゃきしゃきっと動いているのですが、ちょっと手持ちぶたさなとき、しきりと、あごをさすって気にしてます。…そう!おひげを気にしてるんですねっ!(^^)うんうん、よーーーーくわかるわかる、その気持ち(^^)いずみも、お仕事中、たまにやっちゃうもん(^^;;)。



 具体的に、いずみが入ったお店で見かけたのはこの2人だったんですけど、やっぱり印象深かったのは、どちらの方も、職場に、いろんな意味で「ちゃんと溶けこんでる」ということ。他の従業員との関係も、お客さんとの関係も、ごくごくふつうなんですよね。
 よく考えると、こんなにT*がオープンに働いている国って、他にないような気もします。どういう文化背景からこのオープンさが生まれたのか、すっごく興味が沸きますよねっ(^^)。
 とゆーわけで、また今年の夏はタイに行ってみようっと!(^^)

(97/03/05記)  



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