イベントレポート : 950304 永井ホトケ隆

※この記事は、本誌には未掲載のものです。

95/03/04 永井ホトケ隆

 場所 TOWER RECORD 新宿ルミネ店
 時間 17:00〜18:00
 動員 40名
 曲目 アルバムから「Whiskey oh Whiskey」他全3曲
 イベント満足度 80%
 日本を代表するブルーズバンドであるウエストロード、そのヴォーカルである永井隆がなんとビーイングからアルバムをリリースしたという…。まぁビーイングには以前から近藤房之助やらQuncho~やら、ブルーズ系ミュージシャンはいたワケで、永井自身も92年にはTUBEの前田のソロアルバムに参加したこともあった。ただ、94年にはKOBE Kiss FMでDJを始め、ここにゲストとしてB'zの稲葉大黒摩季を招き、いささか苦しい(^^;;)ブルーズ談義を繰り広げていたことからして、まずビーイングの一員(ってなんですか?)となったことは予想されてはいたが…。
 で、そのアルバムのリリースを記念して、TOWER RECORDでトーク&ミニライブが行なわれたのででかけてみた。実はこの日、夕方には某アイドル雑誌(笑)に「NOCTURNE」がどーのこーのという原稿を入稿する予定があり、さらにさらに、夜には某レコード会社の入社面接(泣)まで急遽入ってしまい(「永井さんのライブがありますので時間をずらしてください」と頼み込んだのよね(かなり謎))、雨の中スーツ姿で慌ただしく動き回ることになってしまったが(^^;;)。
 集まったファンは約40名。このうち10名ほどは、昔からの永井ファンであると思われるオバチャマたち(^^)、5名ほどはWhitcher-bbsな人たち(笑)だが、残りは、どーみてもブルーズなんか聴きそうにない、10〜20代の男女たち。こりゃみなさん、とーぜんながら「Music Freak」を読んで興味を持った、普通のビーイングファンたちなのだろう。って、我々もそうだけど(笑)。
 ほどなく、アコースティックギターを抱えた永井と、ハープの続木力が登場。をを、ロハで続木まで聴けるのか、すばらしい(^^)。ともあれまず1曲、Robert Johnsonの曲を熱唱。あぁ、<ZA>からリリースされた初日本語CD『Night People』では日本語詞のこなしに若干硬さがあったような気がしたが、こうやって向こうの曲唄うと、さすがやねぇ。…って言うだけでもかなり失礼かもしれない(^^;;)。
 司会はTOWERの人のようで、何だか、私よりブルーズの知識がないかもしれない、というくらい、人選に難アリ(笑)だったが、さすがに白夜書房で風俗ギャル相手にインタビュアをやっていた永井、自らソツないトークのサービス。アルバムについて、「初めて日本語で演ったんですが、いろんな人に協力してもらって。近藤房之助にも手伝ってもらったんだけど、あいつに唄わせると暑苦しいから、ギターだけ(笑)」と語り、思わず会場には笑いが洩れたぞ。そうか、やっぱり房之助はブルーズマンからしても“暑苦し”かったのね(^^;;)。
 続いて、「酒呑みなんで、こんな曲しか作れないんですみません(笑)」と紹介しつつ、アルバムから「Whiskey, oh Whiskey」を熱唱。これ、TUBEの前田のアルバムで唄っていた曲だが、…やっぱりブルーズは生よ(←何をいまさら)。この曲には、日本語詞でも硬さがないね。すばらしい。
 最後に、ウエストロードとしてNYで行なわれるライブの告知、ってそんな告知して意味あんのか、と言われそうだが、追っか系オバチャンたちには「うんうん」とうなずいている人もいたのが凄い(ちなみにこのライブ、現在<ZA>からCDになっているのでぜひお聞きいただきたい。ウワサではビデオもあるらしく、ぜひリリースをお願いしたいものだ)。そしてRobert Johnsonの曲をもう1曲唄い、つつがなく終了。
 ライブ終了後、サイン色紙のみがプレミアムのアルバム即売、若い衆が4〜5人購入していた。ううむ、恐るべしビーイング(^^;;)。
 わずか3曲とは言え、内容的にも、シチュエーションでも、いろいろと勉強になったミニライブであった。満足満足。
 (この直後の面接で、開口一番「ホトケ、どうだった?」って聞かれてあせったよねよね(爆))



 後日談だが、六本木バレンタインで行なわれた、阪神大震災復興ブルーズライブを観に行った(あぁ青木智仁カッコエかったわ(^^;;))ところ、いかにもマニアを気取ったオトコ2人組が、永井隆について熱心に話をしていた。聞き耳をたててみると、なんとその2人、アルバム『Night People』を聴いてファンになったようで、「アルバムの中でどの曲を唄うのかなぁ?」などと口角泡を飛ばして議論していた。…あのですね、こういう場であのアルバムの曲を唄うことなんざ、どう考えてもありえないでしょ〜が…と一瞬あきれたが、よく考えたらこれでいいのである(笑)。どう考えてもビーイングにノせられて永井のファンになったんだろうけど、やはりこういう連中にCDを売っていくというのが、商業音楽の王道なのだろうからね(^^;;)。



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