アイドル・イベント・レポート : BABY's

※この記事は、第10号に掲載されたものです。

92/03/29 BABY's 銀座三越屋上 「写真集発売記念サイン会」

 時間 14:00~14:40
 動員 120名
 進行 1A「EVERYBODY」→MC→2B「YOUR UMBRELLA」→クイズ大会→
    1B「CALIFORNIA DREAMIN'」→3A「大キライ×A・Ge・Ru」→サイン会
 イベント満足度 70% ただし星野のボケには80%(笑)
 前日、銀座山野で中江有里の整理券をもらい開場時刻までのひまつぶしで向かいの銀座三越にぶらっと入ると、「3/29 ベイビーズ写真集発売記念イベント」とかいう告知が、ほんの申し訳程度の大きさで、ひっそりと掲示されていた。「!!」急遽、昔からのBABY'sファン(?)のI通信員に電話を入れ、一緒に出かけた。
 何だかんだ言いつつも、BABY'sは第3回国民的美少女コンテスト出身である。しかしその知名度は残念ながら決して高くない。ただ、写真をご覧になると「あっ」と思われる方もおいでだろうと思う。あの「ぴっちんぷっちんぴちぱちぷっちん」金鳥音浴湯のCMに出ている3人である。会場のあちこちには音浴湯の広告が貼られ、キャッチも「“ぴっちん娘”ベイビーズの写真集発売」となっている。
 しかし、そんな宣伝も、どんよりとした曇天の前では空しい。晴れた日ならば、屋上に家族連れが現れ、ついでにステージを観てくれるのだが…。閑散とした会場で、オスカーにはつきもののエータイが「応援」の準備を進めている。

 早速デビュー曲「EVERYBODY」でイベントは始まった。何だかこの曲、かつてANB「アイドル共和国」とかいう番組のオープニングで唄われていたような記憶がかすかにあるが、定かではない(笑)。まぁそれだけ印象に残っていない、ということなのだが、SMAPがレギュラの、会場に女子中高生が集うような番組のオープニングアクトで、学園ものの硬派ソングで押そうというオスカーの戦術は正しかった。惜しむらくはその戦術を活かすだけの力量が、彼女たちになかった ということである。
 …などとくだらないことを考えながら、筆者はファインダを覗いた。淡々とカメコしようと。しかし!!そこには、星野朋美の、これ以上ないボケ顔があった。


小原光代・豊田樹里(現松田樹利亜)・星野朋美(現星野美果)

 「この自然な大ボケは一体何なんだ…??」…不覚にも、シャッタを切る手が震える。
 確かにアイドルにはボケた性格のコが多いかも知れない。しかし通常、それはあくまで"性格"の話である。これほどまでにボケた顔・ボケた表情のコがアイドルを名乗るなんて…。よく筆者に「なんでB級ばかり好むの?」などと尋ねる人がいる。実のところ自分でも“何故か??”はわかっていない。ただ、こういう、 A級選手では絶対にありえない不可解・不必然な瞬間こそが、B級の醍醐味なのかもしれない。
 イベントは、エータイの騒がしい応援のみが響き渡るなか、淡々と進んでいく。写真集発売イベントなので、MCの話題は当然それ中心。サイパンで1月後半に撮ってきたそうで、感想を求められた豊田は「いろいろな洋服が着られてうれしかったです」などと言っていた。それから「体操着の写真もあるんですよ~」という紹介もあったが、それを言うならふつ~、「ブルマー着た写真もあるんですよ~」だと思うが…(笑)。
 クイズは、3人が2問ずつ出題、正解者には写真集用に撮った写真にその場でサインを入れてプレゼント、という形式。豊田の「サイパンはどこの国でしょう?(3択)」という噴飯問題から、小原の「私はこの前高校受験をしましたが、その合格発表の日はいつだったでしょうか?」などという“そんなの出してもいいのかよ?”的な問題まで、なかなか幅広い出題であった。ただ星野の「私はデビューしてから身長が伸びたんですが、さて何cm伸びたでしょうか?」には笑ったぞ。何せ答えは1cm(152→153)、わざわざ「伸びたんですが、」とことわるところが星野らしく、よかった。
 唄はオリジナル曲ばかり4曲の、例によって「豊田樹里ワンマンショー」。両脇の2人はさしずめ、松本伊代の脇で踊っていたキャプテンのようなものだが、それにしては唄も、踊りも、えっち度も足りない(笑)。何か他人の曲でもいいから、ソロコーナーを作るとかはできないのかね~?
 最後のサイン会は、当然、写真集を買った人のみ。豊田→小原→星野の順で、希望者には自分の名前を好きなメンバに入れてもらえた。私は特に何も考えずに豊田にしてもらい、「しまった、星野にしてもらえばよかった」と地団踏んだというわけ(^_^;)。前年4月にここ銀三でやったとき(第2号でレポート)には握手はなかったそうだが、今回はバッチリ。ただ、タイミングのせいかお互いに避けたのか(爆笑)、小原とは握手しそびれてしまった。
 結局列に並んだのは60人くらいだっただろうか。BABY's、そろそろ店じまいのような気もする。それなりの事務所で、それなりにデビューしたのだから、引退ご褒美はCDになるのが順当なところだが、それが写真集になってしまうとは…(決めつけてるやつ)。
 会場には音浴湯のボードが残されたまま。「お持ちください」とのスタッフの声を聞くや否や、観客が一斉にこのボードを剥がしていった。まるで夜逃げの後、残されたわずかな物品を差し押さえる借金取りのような表情の観客。彼らが去った後の閑散とした、殺伐とした会場。
 ため息をつきながら、我々は屋上を後にした。 (編集長)



近況報告

 正式にBABY'sが解散したのは、この年の10月であるが、既にその時点で豊田樹里はオスカー離脱が決定的だったようだ。というのも、同年8月の国民的での「歴代美少女紹介」のコーナで小原光代が紹介された際、バックに流れていたプロモーションビデオの音が豊田の紹介に差し掛かったとたん、司会の吉村道明が測ったかのように大声で音を遮ったからである。
 「あ、豊田、何かあるのかな?」とその時は比較的気楽に考えていたのだが、もしかしたらもうこの時点でパブリックイメージ入りは決まっていたのかも知れない(笑)。
 「投稿写真」の「イベント・ホット・ライナー」で「売れれば勝ちか??」などと散々酷評されている松田樹利亜、私はイベントさえやってくれれば、この「時の宝石」のサインを振れるので問題ないで~す(爆笑)。
 なお小原は現在もオスカーでモデルとして活躍中。星野もオスカーだが、名前を星野美果と変えた模様。ぺて先生によれば、S宿駅のS京線のホームでたまに男と抱き合っている模様です(笑)。



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