“kichiku”その恐るべき実態

 最近、外道を越える“kichiku”という集団がいるらしい。
 ブルセラ雑誌を集め、ブルセラ系モデルの撮影会に通うその姿、ちょっと聞きにはただの「スケベオヤジ」と勘違いされやすいが、彼らはそこに「えっちさ」を全く求めていない。その仕事柄しょっちゅう変わる芸名を追跡し、イベントがあればそこでグラビアにサインを求めるのは外道と一緒である(笑)。
 元気のないアイドル業界に対し、活発なブルセラモデル業界。その中から、ClipP.P.Club
といった、まさにアイドルチックな活動をはじめた集団もいる。活動領域が重なってきている以上、この“kichiku”について、外道もよく知っておく必要があろう(笑)。
 多くの外道はパソコン通信を駆使していたが、“kichiku”もそうらしい。私は、都内某所にある、“kichiku”専用BBSのsysopであるM氏、このBBSが開設される前からかのW田さんと共に、密かに“kichiku”に精進していたというH氏にお話を伺うことに成功した…

Y:はじめまして。お願いします。
M:よろしくお願いします。
H:よろしくお願いします。
Y:まず伺いたいのですが、“kichiku”って、漢字で表記すると「鬼畜」ですか?
M:そうですね(苦笑)
Y:そもそもどういうニュアンスなんですか?
H:元々は、グラビア誌によくある、水着やら鼻やらを釣り針でひっぱったり、隠すべきところを泡で隠してるようなグラビア、あれを指すんです。
Y:最初に使われ出したのはいつ頃からなんですか?
H:いつだったか「すッぴん」に「女子高生雑誌特集」みたいなのがあって、そこで「この程度は初級鬼畜」とか解説が出てたんですよ。それで W田さんとその種の話をするのに「鬼畜」という言葉を使うようになって…。
M:93年くらいから、草の根BBSでもたまに使われるようになってきましたよね。
Y:そういえばウチ(Whitcher-bbs)でもそうでした(笑)。
H:で、変態のための BBSを作ろうということになって、“hentai”じゃ今一つだし…
M:それで“kichiku”にしたんだよね。
Y:なるほど。
M:本当は、Hさんがsysopやるって話だったんだけど、他がいろいろ忙しいということで、私がやることになったんですよ。
Y:で、実に適任だったと(笑)。
M:私自身が「鬼畜」っていうコトバを、そういう意味として聞いたのは、確か本厚木のSKiのイベントだったよねぇ?で、そういう話題をするBBSが欲しいね、っていう話だったんですよ。
Y:普段の活動は?
M:活動って言っても、普通のBBSと一緒ですよ(笑)。
H:基本的には、まず雑誌とかモデルの情報集めです。「クラスメイトJr.」とか「セーラーメイトDX」とか「スーパー写真塾」とか、その種の雑誌に出ているモデルの名前って、いいかげんにその場その場で決めてるでしょ?(笑) それをきちんと対応させる作業とか、大切です(笑)。
M:そう、元々は雑誌の話題がメインだったハズなのに、今は何故か撮影会情報の交換の方が増えてますね(苦笑)。
Y:そ、そうだったんですか(笑)。私はてっきり撮影会のBBSかと思ってましたよ(爆笑)。で、実は撮影会とは名ばかりで、本当は女の子とお話したり遊園地に行ったりするのかと(笑)。
M:そんな話は全然ないですよ(←と冗談口調)。
Y:おかしいなぁ、私はてっきり「女の子と豊島園で遊ぶ」打ち合わせをするのかと思っていたんですが(笑)。
M:いや、ちゃんと撮影してますよ(笑)。
Y:…答えになっていない(笑)。
M:(話をさえぎり)最近は、CD-ROMの話題も多いですよね。
H:みんなMac買ったからねぇ(笑)。
Y:あのあたりも、名前のチェックが必要ですものね(笑)。で、話を戻すと(笑)。Mさんは、いつから写真を撮っておられるんですか?
M:いや、まだ1年経ってませんよ。
Y:あ、そうだったんですか(笑)。拝見させていただいた限りでは、とてもそうは思えないくらいの出来ですよ。
M:昔、原探のイベントで女の子たちとお話してて、なんとなく「カメラを買わなければならない」という天の声があったような気がしたんですよ。で、翌日新宿を歩いていたら、偶然Hさんに会って「今から買いましょう」ってヨドバシに連れてかれて、機材買わされたんですよ。
H:…私はアドバイスしただけですけど…(爆笑)
M:で、折角買ったんだから、やっぱり撮影会にも行かなきゃ腕が磨けないだろう、ということで撮影会に行った方がいいかな、ということで(笑)。
Y:最初からブルセラ系だったんですか?
M:いや、最初は普通の撮影会(註:よみうりランドの Under The Sky らしい)に行こうと思ってたんですけど、生憎雨で…
H:うそつけ~!(笑) 最初から申し込んでなかったでしょうが!!(笑)
M:おかしいなぁ…(笑)
H:ま、私が元から、その種の撮影会に興味があって、でも1人で行くのも何だからMさんを誘ったんですよ。そしたら、もうハマってしまって…(笑)。
M:で、そこで N.E.ちゃんと初めて会ったんですよ!(^_^)
Y:なるほど(笑)。そこでYM企画とのおつきあいが始まったんですね(笑)。
H:今やP.P.Clubだからねぇ。
Y:で、撮影会の面白さってどこにありますか?(笑)
M:いや、みんなちゃんとまじめに撮影してますよ(笑)。
Y:が~全然答えになってないぞ~(笑)。
M:まじめな話、初めは確かに撮影技術向上っていう目的を掲げて行ってたんだけど、自分には技術的な才能はないってすぐわかったんで、なら女の子とコミュニケーションしようかな、と(笑)。
Y:なるほど。
M:そしたら何だか、知らない間にマネージャとも親しくなっちゃって、事務所の内情にまで詳しくなっちゃって…
Y:結局はそこに行き着くのかも知れません(笑)。
H:ああいうところに出ている女の子だと、他の名前で出てるようなグラビア持ってっても喜んでくれますよ(笑)。中には「あ、これ無断使用だ」ってことになってマネージャから感謝されたりして(笑)。
M:親しくなると、本名でもサインしてくれるようになるよん。
Y:なるほど。そのあたりのコミュニケーションの濃さは Judy'sとかと同じなワケですね(笑)。ところで、N.E.ちゃん、今女子大生を装っているらしいですね。
M:いや、あれは女子大生です。
Y:??
M:本人が「女子大生だ」って言ってるから女子大生なんです。
Y:(爆笑)
M:女子大生なのに、毎日昼間からバイトやってるみたいだけど(笑)。

 「ブルセラモデル」というとどうにも色眼鏡的に見られることがまだまだ多い(むしろアイドルファンだからこそそういう眼で見ていたりするかも知れない)が、要はアイドルと同じ年頃のコたちである。「撮影会」という、元々モデルと客がコミュニケーションをとりながら進めていくのが当然である場は、お友達感覚でお話しするにはもってこいなのだろう。
 聞くところによれば、最近は撮影会に「写ルンです立体」だけを持ってくる猛者もいるそうだ(笑)。広告などは雑誌によく出ているので、興味をもたれた方は参加してみてはいかがだろうか。もしかしたら、“kichiku”なひとに遭えるかも知れません(笑)。




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