#021 特別編:名前変えました(^^) - 2.申立のために準備したもの

98/04/12 updated.
身上書全文と画像6点を追加

 いずみは、今回の申立の事由を「性同一性障害」のみに絞ることにしました(すみません、これ、ホントは 1.からつながるのですが、1.はまだ書かれてませんm(__)m)。

 「名の変更の申立」の場合、その理由を客観的に証明する書類を添付しなければなりません。
 もちろん、「性同一性障害」を理由にするのであれば、意志の診断書は必須です。
 また、この「理由」は公に認められたものとはなっていないため(苦笑)、その正当性を申立人自らが立証しなければならないわけです。

 そして、事前に収集した情報から、次のモノがあると、若干有利に傾くのではないか、とのことでした。
  1. 親の同意書
  2. 消印のある、通名宛の郵便物
  3. 通名宛の、公共料金の領収書
 しかしいずみの場合、バカ正直にも(苦笑)(3)には何の対策も講じていなかったため、(1)と(2)を揃え、さらに「泉美」とゆー名を使ってる傍証を取り揃えることにしました。

 また、事前の情報では、「裁判官や調査官が、GIDについてよく知らない場合もあるので、それをわかりやすく説明した書類も必要」とのことでしたので、こちらも図書館に行くなどして(^^;;)揃えてみました。



 では、実際に当日提出した「目録」を引用し、一部書類を実際に公開していきます。
 なお、青色および黒色部分は原文、< >内赤字は今回の公開に際し付け足した部分です。また、いずみの苗字は一応伏せてあります(^^;;)


1.「名の変更を申立するにあたっての身上書」 B5版全14枚
 →全文はこちら

2.申立人が「性同一性障害」であることを示す、医師による診断書
 →画像

3.両親の改名への同意書
 申立人の両親による、今回の申立に対しての同意を証明する書類です。
 父親から郵送されてきた茶封筒に入っております。
 →画像

4.申立人に現在の仕事を依頼した会社が発行した証明書
 現在、申立人はフリーランスの技術者として働いておりますが、現在従事している仕事をご紹介くださったソフトウェア開発会社からいただいた、「申立人が、今回変更を希望する名で女性として就労している事実」を証明する書面です。
 <原本を提出してしまい、コピーもとってませんでした(^^;;)>

5.現在の作業先でお客様に提示している名刺
 社名が4.と異なりますが、コンピュータ技術関係の仕事は「出向」の形が常態となっており、このようなことはごく一般的となっております。申立人は現在の仕事を、4.の会社からご紹介いただき、お客様に対しては5.の会社の技術者として作業に従事しております。その際、お客様他に提示しているのがこの名刺です。

6.以前、対外的に女性として勤務していた会社の名刺および年賀状
 平成9年9月より平成11年2月まで、申立人が女性として勤務していた会社が顧客あてに出した平成11年度の年賀状、および業務上用いていた名刺です。いずれも申立人の氏名は「××泉美」となっております。
 →年賀状画像

7.JPNIC(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)に登録されている情報 A4版全3枚
 日本におけるインターネットアドレスの割当を独占的に行っている社団法人、JPNICのデータベースに登録されている、6.の会社および管理者としての申立人の登録情報。JPNICのホームページを印刷したものです。

8.女性として勤務していた会社の、平成10年分の源泉徴収票
 6.の会社が発行した源泉徴収票。名が現在の戸籍のものとなっています(ただし表記が誤っていますが、これは会社側のミスです)。このような「二重帳簿状態」だったことで、会社ではさまざまな問題が生じていました。

9.変更を希望する名での、申立人あての郵便物類
 平成11年の、会社の社員としての申立人への顧客からの郵便物および年賀状(9−A)、および平成10年および11年の、申立人あての私的な郵便物(9−B)です。すべて、「××泉美」あてのものです。前者については、宛先は6.の会社になっております。

10.ビデオドキュメンタリー「We Are Transgenders.」からの抜粋(ビデオテープ)
 資料20で紹介されているドキュメンタリー「We Are Transgenders.」では、申立人が「いずみ」として、トークライブの模様・6.の会社での仕事風景・6.の会社のスタッフへのインタビューが紹介されています。これらのシーンは、平成9年10月に撮影されております。同映画の製作者である尾川ルル氏より、特別に申立人出演部分のみダビングおよび提出の許可をいただきました。
 なお、ビデオが資料としてお納めいただけるかどうかわかりませんでしたので、これらの画面をプリントアウトしたものを添付させていただきました(10−B)。
 <結局、ビデオテープは受理されませんでした(^^;;)>
 <代わりに提出したキャプチャ画像 1 2 3 4 5

11.インターネット雑誌「あちゃら」1998年2月号より 申立人が紹介された記事のコピー B4版全1枚
 いろいろなホームページを紹介する雑誌「あちゃら」に掲載された、「性同一性障害」に関するホームページの紹介記事中で、申立人が6.の会社のスタッフとともに「いずみ」として紹介されています。撮影は平成9年11月です。

12.コンピュータ雑誌「月刊アスキー」1998年11月号より 申立人が紹介された記事のコピー B4版全1枚
 コンピュータ雑誌最大手「月刊アスキー」で、申立人が「いずみ」として紹介されています。

13.池田クリニック「性同一性障害」 A4版全3枚
「性同一性障害」についての、専門医師による解説。
 池田クリニック(熊本県菊池郡合志町幾久富1866-1332)が開設しているホームページを印刷したものです。

14.日本精神神経学会「性同一性障害に関する答申と提言」 A4版全7枚
 我が国において「性同一性障害」を正当な医療行為の対象と捉え、その医療を行うにあたっての指針を示した答申です。
 原本が入手できませんでしたので、これを転載した、インターネットのホームページを印刷しました。

15.埼玉医科大学倫理委員会「「性転換治療の臨床的研究」に関する審議経過と答申」 A4版全9枚
 性転換手術を正当な医療行為と位置づけ、その実施のために諸条件を整備していく必要がある、との学内答申。「性同一性障害」について、1医科大学単位としては我が国ではじめて取り組んだ文章であり、添付させていただきました。
 原本が入手できませんでしたので、埼玉医科大学が公式に開設しているホームページから印刷させていただきました。

16.高松・原科・井上「ジェンダークリニック受診者182名の分析」 B4版全6枚
 埼玉医科大学内に開設された、「性同一性障害」に関する診療を行う「ジェンダークリニック」に訪れた受診者について分析した論文のコピーです。
 <「TSとTGを支える会」発行の資料をコピーさせていただきました>

17.針間克己「性同一性障害の精神療法」 B4版全8枚
 我が国における「性同一性障害」の精神療法の最前線についての論文のコピーです。
 <「TSとTGを支える会」発行の資料をコピーさせていただきました>

18.読売新聞 平成10年10月22日朝刊 A3版(縮刷版よりの拡大コピー)
 静岡・浦和両家裁で、「性同一性障害」のみを理由とした申立により、名の変更を受理されたとの報道です。これを見て、今回の申立に至った次第です。

19.週刊朝日 1998年7月17日号「男か女かで悩む子供たち」 B4版全2枚
 未成年の「性同一性障害」についてのレポートのコピーです。

20.ビデオドキュメンタリー「We Are Transgenders」紹介文 B4版全2枚
 10.のビデオテープの紹介文のコピーです。


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