アイドル・イベント・レポート : 稲森明美

※この記事は、新たに書き下ろされたものです。

96/08/16 稲森明美 銀座三越 納涼演歌まつり

時間
13:00~14:00
動員
200名
曲目
1A「逢いたくて…涙」→1B「あの日に帰れない」→「花」(石嶺聡子)→「まちぶせ」(荒井由実)→1A「逢いたくて…涙」
イベント
満足度
95%

 稲森明美、19歳。平尾鹿児島校出身。演歌でブイブイ鳴らし、ナベプロにスカウトされる。高原愛美の芸名で、織田裕二とともにセルボのCMに出演、一躍その名を知られる。その後某レコード会社からポップスでデビューが決まりかける(このころNHK「新人歌謡コンテスト」にも出たのだ)も、本人の「やっぱり演歌が…」という意向のためか、ボツ。その後、ナベプロ・ビーイング共同プロデュース(笑)のKIX・Sがそこそこ売れたごほ~び(^^;)として<AP>からデビューか?というウワサもあったのだが、それも立ち消え。94年秋には、やっとついに学園祭のステージに出演。そして彼女はナベプロを辞め、再び平尾に戻り、95年の発表会のトリで「夜桜お七」を唄い、平尾先生が審査員を務めるTX「チャレンジ歌バトル」に出場、グランプリ。そしてついに、彼女は、念願の、演歌でのデビューを果たすことができた!!!

 この日は、銀座三越屋上、毎年恒例の「納涼演歌まつり」。新人からベテランまで、幅広いゲストが連日訪れ、ステージを務める。現場に来てみると、確かに演歌ファンっぽい客が多い。
 …しかぁし!それは客席の比較的後ろにすぎない。客席の中央部分には、サンニッパが林立…そう、カメコ諸君が占拠していたのである!
 実はこのイベント、既に各種雑誌で水着グラビアを披露している彼女の「デビューキャンペーン」として告知されていたのだ。これらの記事のどこをどう読んでも、彼女が演歌だとは書いていない。ううむ(^^;;)。確かにこのレベルのルックスだから、アイドルファンもひっぱれるだろう、という読みはあるのだろうが…(^^;;)。まぁ、今年は林あさ美・品川知子など、久々に演歌系アイドルの豊作年、アイドルファンも特に気にはしていないのだろう(笑)。

 熱気ムンムンの中、イベントは定時にスタート。まずはデビュー曲。ド演歌ではなく、いわゆる「歌謡曲」である。もちろん、演歌テイストで唄いあげるのだが、うむ、多少、技術に頼った唄い方のような気はします(^^;;)。安定感はあるのだけれど、味はないなぁ。まぁ、20歳前で味があったら天才だけれどね(^^;;)。

 次いでMC。ここで、一部歴史の改竄、ならぬ中略があった(笑)。「小さいときから石川さゆりさんが好きで、12歳からずーっと平尾昌晃音楽学院でレッスンしていました。そして、テレビ東京のカラオケ番組で優勝して…」。…あぁ、セルボのCMも、NHK「新人歌謡コンテスト」も、NTV「うるとら7:00」レギュラーも、NHK-BS「アイドル・オン・ステージ」セミレギュラーも、すべては闇に葬り去られてしまったのね…(^^;;)。まぁ明美ちゃんについてだけは、許すぞ、おぢさんは(爆笑)。
 続いて、昔からここ銀三でのアイドルイベントでよく司会をしているねーちゃんが退場、1人でC/Wを唄い、続いて同じレコード会社、しかもNHK新人歌謡コンテストで優勝している石嶺聡子の「花」を熱唱。無論うまいけど、ちょっとアラが目立つかも。まぁ曲が曲だけに止むを得まい(^^;;)。
 さらには、やっぱり同じレコード会社の荒井(笑)由実「まちぶせ」。こちらは派手な振りつきで唄ってくれた。演歌っぽくないノリだか、どうも振りは演歌っぽい(^^;;)。

 この後、再び司会のねーちゃん登場。「水着グラビアやってますね。どうですか?」「いやぁ、こういうのってはずかしいですよ」といった通り一遍の会話。これで終われば何のことはなかったのだが、…この後、意外にも、司会のねーちゃんの、実に歴史を踏まえた正しいツッコミが入ったのだ!
石川さゆりさんが目標でしょ?昔、さゆりさんもデビューしたてのころは、アイドルっぽく、水着もやってましたよ。ちょうどいいじゃないですか。
 あ、あまりに正しすぎる…(うるうる)。「中3トリオ」なんてのが太古の昔あったけど、これって当初は、山口百恵・森昌子・石川さゆりだったのだ!!それが、なんかいろいろなミエナイチカラが働いて(笑)、桜田淳子になった、というワケ。
 (しかし、この司会のねーちゃん、何歳なんだ!?!?(爆笑))

 最後、ふたたび1Aを唄って握手会。私も、実に久々に参加。既に外道を引退した私ではあるが、こーゆーときはさすがに何か、ひとこと声をかけたくなる。で、既に北の方で「お姉さんは今何やってますか?」(謎)などとあまりにひどいツッコミをしているひどい連中(笑)がいたようだが、私は穏便に、「多摩大のイベントに何で来てくれなかったんですか?ずっと待ってたのに…」と言ってみた。…しかし彼女は、私が何を言っているのかさっぱりわからず、首をかしげるばかり(;_;)。そして、私のことを「ヘンな質問をするアブナいやつ」と思ったのか(泣)、係員にさっさとさえぎられ、あえなく玉砕してしまったのであった(怒)。
 考えてみれば、多摩大イベントをブッキングして、キャンセルしたのはナベプロなのだから、彼女本人はその話を知らなくても不思議ではない。あぁ、くだらんことしてしまった…(^^;;)。

 ともあれ、苦節9年、念願の演歌デビューができて実にめでたい彼女。ここはひとつ、初心を忘れず、唄にどんどん磨きをかけていって欲しいところだ。 (編集長)



近況報告

 とゆーわけで、ちゃんとデビューできた明美ちゃん(^^)。心から、おめでとう!と言いたいです(^^)
 今でも、ニューアダルトミュージック路線で、がんばってます(^^)。




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