#010 おとこらしさ
今回は、最近やっと自宅の回線をISDNにした、おなじ職場ではたらく、おともだちのKくん(まだ22歳!(^^))のおはなしです。(…とゆーことは、このページ、もうすぐ見られちゃう!(^^;;;;))
Kくんといずみは、よくいっしょにごはん食べに行きます。
主に行くのは、食べ放題!(^^)
実はいずみは、大食漢なのです(笑)。最近はダイエットにはげんだせいもあって、以前よりはずーーっと食べる量が減りましたけど、それでも、普通の成人男性よりは食べるんじゃないかなぁ…(^^;;)
なにせいずみ、高校時代は、スポーツやってなかったのに、1日でどんぶり9杯、ご飯食べてたんです…(^^;;;)。で、今はその時よりも15kgくらい、体重少ないんですけど、でもでも、まだまだ、そーとーなでぶ…(;_;)
で、夜はおしごとで、ごはん食べてる時間もあまりない(牛丼屋に行くくらい)ので、行くのはランチバイキングなんです。
そしてこの前、高田馬場にある、タイ料理のランチバイキングに行ったときのお話。
店内はけっこうな混雑ですが、いずみとKくんは、ラッキーなことにすぐに座れました。12人くらいかけられる、でっかいテーブル席。
いずみとKくんは、くつろぎながら、仕事の打ち合わせなんかしながら(^^;;)、ナム・プリックをぶっかけまくった(^^)カオ・パットを、スプーンとフォークでかっこみます(^^;;)。
そうそう、タイ料理自体は、日本にあるお店としては、まぁ、まともかな、とゆーくらい。辛くないのはしょうがないんだけど…(って言っても、まわりの客は辛がってたけど(^^;;))
ただ、そんな2人を見ていた、他のお客さんのうちの何人かは、いぶかしがったかおをしていました。思い当たるフシは、1つしかありません。…そうです、いずみはふつうにしゃべってたので、いわゆる「オカマ」だと思われたようなのです(^^;;)。
もち、いずみは、そーゆーのは慣れっこだし、相手が危害を加えてくるわけじゃないし、むしろ面白がって相手を逆観察しちゃったりもするのですが(^^;;)、実はKくんは、そうじゃないようなんですね…。
この時は、Kくんはそのような周囲の視線に気づいてはいなかったようでした。お店を出て、駅に向かって歩きながらいずみが「前の女の子2人、じろじろ見てたねー。」って言っても、「そうですか?」。
「そうそう」、といずみ。
すると、Kくんは、いずみが思いもかけなかったことを、はなしはじめたのです…
「…この前、吉野家行ったとき、向かいに大学生4人がいましたよね?」
「あーあー、運動部っぽい。」
「あの中の1人が、××さんをじろじろ見て、けげんそうなカオしてたんですけど、僕、むちゃくちゃむかついて、殴っちゃおうかと思いましたよ!」
…いずみは、びっくりです!
温厚でやさしくて、めったに怒らないKくんが、「殴っちゃおうかと思いましたよ!」なんて言うんだもの…
Kくんは、続けます。
「だって、失礼じゃないですか!」
「うん、だけど、やっぱりこんなのが牛丼屋で、こんな声でしゃべってたら、やっぱり『なんだこいつ?』って思うんじゃない?普通は(笑)」
「そうですか?」
「髪型だって、こんなじゃない(笑)」
「…でも、僕思うんですけど、××さんって、すごく男らしいですよね?。どこから見ても、…」
が、がーん!(;_;)
そ、それは、…しょっくぅ〜〜〜〜(;_;)
でも、まぁ、それも事実かも知れない、悲しいけど(;_;)。なんだかんだ言っても、ガタイもいいし、声も野太いし、オトコ顔だし、そう思われても仕方ないのかも知れない…
…しかし!そう思ったのもつかの間、Kくんの発言は、さらにいずみをびっくりさせたのです!
「どこから見ても、すごくかっこいいじゃないですか!」
…????
いずみは、Kくんの真意を測りかねました。
「…どこが???」
「髪型だって全然おかしくないし、洋服だって問題ないし、だいいち考え方も一本筋とおってて、どこからどうみてもかっこいい男性ですよ。」
「でも、服、女物なんだよ。」
「そんなの、似合ってれば関係ないじゃないですか。」
…これで、はっきりしました。
Kくんは、いずみのことを、「リードされる」という意味で「おとこらしい」と言っているのではなく、純粋に、男性としてかっこいい、という意味で「おとこらしい」と言っているのです。
でも、そしたら、いずみの指向性は、どう思われているのでしょう…?
「…ホームページ見せてもらって、俺、すっげー、ショックだったんですよ。まさかそういう人だとは、全く思わなかったから…。でも、こうやって話してれば、やっぱり××さんは××さんだし、そんなことは関係ないって。」
うん!
このときいずみは、本当に正直な感想もらえて、とってもうれしかったです!(^^)
…でも、正直言うと、Kくんはそういう優しいひとだって、はじめっから予想してたりもするんですねこれが…(^^;;;;;)
でも、その一方で、まだしっくりこなかったこともあります。
いずみ、これまで「おとこらしい」って言われたこと、顔とかガタイとかが「女に見えないよー」ゆー意味ではたーくさんあったけど(;_;)、それ以外のぶぶんでは、全くなかったんです。
で、失礼だとは思ったけど、思わず、言っちゃいました。
「そんなふうに言われたの、はじめてだよぉ(^^;;)」
Kくんはしばらく考え込みました。
そしてひとこと、「…そうかなぁ???」
いずみは、もう、これ以上たずねるのは、やめました(^^;;)。
…よく考えてみれば、そもそも、「おとこらしさ」って、なんなんだろう?
いずみは、♂である自分と「おんな」でいたい自分を持っています。そして、社会的に「おんな」として溶け込み、しかも社会的に生きて行くために、自分のイメージとしてぼんやりと持っている、「おとこらしさ」「おんならしさ」を、「おとこらしさ」はおしごと用、「おんならしさ」はプライベート用、って使い分けてます。
いちぶのひとびとは、「おとこらしさ」「おんならしさ」そのものを破壊すべきだ、って考えて、行動しています。
そして、大部分のひとは、♂は「おとこらしく」、♀は「おんならしく」あるべきだ、と思っています。
でも結局、これらの見方は、ぜーんぶ、世間的な「おとこらしさ」「おんならしさ」をもとにしてるんですよね。
それとどう格闘するか、あるいは従うか、という違いはあるけど、でも、「×××らしさ」の呪縛、とゆー点では、似たり寄ったり…
でも、Kくんは、それらのどれとも、違うんですよね。
Kくんには、Kくんの感覚があって、それに忠実に、正直にいろいろと言ってくれてると思ったんです。
そして実は、いずみのことを、♂とか♀とかに関係なく、「いずみらしい」って、ほめてくれたような気がしてならないんです!
確かにKくんは「おとこらしい」って表現を使ったけど、これは、とりあえずKくんがこれまで『「△△△らしい」には「おとこ」「おんな」しか入らない、他のものは入りようがない』という環境にいたから、そうしただけなんじゃないかな、と思うのです…
実は、いちばん gender-free な感覚の持ち主は、Kくんなんじゃないかな?
そんな気がして、すっごく、うれしかった、いずみでした…(^^)(^^)(^^)
(97/02/18記)
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