米沢泉美 全駅制覇 Report Vol. 26
母娘(笑)2人で北海道・青森ねぶたツアー
第1日 いよいよ出発、カシオペアはすばらしかった
− 7月28日(水) −

今日の行程


発 駅 時刻 列 車 時刻 着 駅 制 覇
236 押 上 12:07 普通 1129T 12:21 新柴又  
237 新柴又 14:36 普通 1434N 14:54 浅 草  
238 浅 草 15:02 普通 A1501 15:07 上 野  
239 上 野 16:20 特急 8009レ 8:28 南千歳  
米沢泉美 全駅制覇 26日目 小計 0駅
米沢泉美 全駅制覇 今日までの累計 103駅

Section 26-0
いよいよ豪華な旅行へ、しかし前準備はやはりそれなりにかかるもの。

 前々日までのツアーで精神状態をメチャクチャにしつつも一筋の光を見出した私は、とにかく27日に出勤し、仕事をこのツアーにより長期欠場するための準備をした。
 そして、最も危うく私が精神を痛める原因となっていた部分について、問題を分割し極力アウトソースすることでリスクを減らす、という会社の方針が定まり、私の欠場中にカタストロフを迎える可能性がかなり遠のくこととなった。
 さらにそれとは別に、本業ではない別の仕事(というにはあまりにひどかった)で、かなり私をいやな気分にさせていた件についても、私がその業務から降り、別の業者に発注しなおすことが決まり、その引継ぎもなんとか終えることができた。
 これにより、心おきなく、このツアーに出発できるというものである。

 今回のツアーは、母と2人で北海道をまわり、さらにこの間毎年訪れハネトとして参加してきた青森ねぶたに合流する、というかなりの強行軍。北海道めぐりは一応観光を目的としたものだが、その中で駅めぐりも3駅ほど盛り込んである。また青森ねぶた期間中にも、2回ほど、青森を拠点に駅めぐりに出る形である。
 そして北海道めぐりは、あまりの強行移動スケジュールに対し母が文句を言わないよう(笑)、カシオペア&グリーン車に乗ることとし、2人でグリーン車の旅をするには最適な「北海道ペアきっぷ(グリーン車用)」(現「北海道フリーパス(二人用・グリーン車用」)を利用することにした。
 このきっぷは2人で7日間、道内のグリーン車指定席に乗り放題で63200円、という破格のきっぷだが、なぜか、JR東日本管内では発売されていない(1人用は発売)。しかし東京駅の総武地下口にはJR北海道の旅行センター「ツインクルプラザ」の営業所があり、そこで発券することが可能である。このきっぷとともに使う指定券などもやはりツインクルプラザでしか発券できないのだが、私には自転車という武器がある(笑)。ここまでで都合3度、こちらに通い、ペアきっぷを購入し、さらに予定の指定券のほとんどを発券してあったのである。
 さらに、カシオペアの寝台は、→こちらで触れたとおり、静岡県の新所原駅にて発券済み。また帰りのスーパー白鳥指定席&新幹線グリーン車は既に普通に発券済みである。

 だが、まだ、一番肝心のものを購入していない。それは乗車券である。
 この日の出発はカシオペアなので夕方だが、実家に母を迎えに行かねばならないため、会社は全休にしてある。
 というわけで、自分の荷造りをした後、自転車で錦糸町のびゅうプラザ(JR東日本の旅行センター)に向かい、行きはIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道経由、かえりは東北新幹線経由の、東京都区内−中小国な乗車券を発券した。

 このきっぷ上の行先である中小国駅は、津軽線にあるドローカル無人駅に過ぎない。が、JR東日本とJR北海道の境界にあたる駅であり、JR北海道内のフリーきっぷを利用する場合、ここまでの運賃を別途支払わねばならず、そのためこの駅までのきっぷは旅行マニアにとってはそれほどめずらしいきっぷではない。

 ただ、このきっぷと、今回の行程で「北海道ペアきっぷ」を組み合わせる場合、微妙な問題が発生する。
 ペアきっぷは有効7日間である。そして今回の旅行では、8月4日までこのきっぷで道内を旅するため、その有効開始日は7月29日でなければならない。しかし今回乗車したカシオペア号は、7月28日の23時過ぎに盛岡を発車した後、29日の4時過ぎに函館に到着するのである。
 ということで、函館から先は間違いなくペアきっぷが行使できるとしても、では中小国−函館間については運賃の扱いはどのようになるのだろうか?
 考えられるパターンは次の3とおりである。

  1. 「ペアきっぷ」は、日付を越えてから最初に出発した道内の駅から有効。よって、中小国−函館間の運賃が別途必要。
  2. 中小国駅を通過した時点で、日付は既に29日であるため、「ペアきっぷ」は中小国から行使できる。
  3. 「ペアきっぷ」を夜行列車とともに利用開始する場合、日付を越えてから最初に停車した駅より有効開始日をカウントし、そこまでの運賃は日付にかかわらず「ペアきっぷ」分が有効となる。

 …正直に告白すれば、私は1.か2.のいずれか、と思い、JR北海道の問い合わせ窓口に照会をしたのだが、実際に帰ってきた回答はなんと3.。これはあまりに乗客に有利な解釈であり、私は「JR北海道ありがとう!」と感謝しつつ、乗車券は中小国までを購入した。
 ただし、ネット上で得られた情報によると、この問題に関してのJR北海道の回答は、担当窓口によって変化し、上記の1.が正しい、とする回答を得た、という実例がある模様だ。ということで、どちらが正しいのかはわからないが、とにかく「窓口によって回答が違う」というのはとても困った話であり、改善が望まれるところである。

 なお、特急料金については上記のような解釈の問題はなく、「本州と直通する列車については全額別途支払う」ということになっており、新所原駅にて上野→札幌の特急券を購入済であった。

 また、 ここで購入した乗車券は行きもかえりも東京都区内−中小国であるが、行きと帰りで経路が異なるため(3セク経由vs新幹線経由)、往復きっぷとはならず、往復割引も適用されない。ということで、かえりの有効開始日は、そのルートの大部分となる青森→東京間の乗車が8月8日であるにもかかわらず、中小国→青森間での利用のため、8月4日からとなっている。そしてこちらの乗車券の有効期限は5日間。そう、実はこちらも「有効期限ぎりぎり」のきっぷとなっていたのであった。(^^;;)

 しかしこのとき、マルスのプリンターの調子が悪く、その交換を職員がエラくのんびりやっていたため、私は母に告げてあった実家到着時刻を変更するハメとなってしまったのだった。事情が事情だけに仕方がないのだが、そんなことを許してくれる母ではなく(大笑)、PHS越しにまた小言を言われる私であった。トホホ…


Section 26-1
まずは実家まで出向いて母を回収

押上 12:07→新柴又 12:21
普通 1129T(北総7258)

 自宅まで自転車で戻り、すぐに荷物を持って押上駅に徒歩で向かい、これまた最寄り駅までの直通電車の発車4分前、12時3分になんとか到着。
 やってきた車両は京成のお古を北総鉄道に売却したもの。子会社間の資産融通ということだが、よく見ると、車両側面の会社名表示が「北総鉄道」になっていた。
 ここは北総開発鉄道が、7月に改名されたもの。当初は千葉ニュータウンの「開発」と不可分のアクセス鉄道として整備された(という設定!)のだが、開発自体が計画どおりに進まず、旧住宅都市整備公団が所有していた末端部分の路線が、独立行政法人都市再生機構へと改組されたのを期に同鉄道に譲渡され、同時に社名から「開発」をはずし、鉄道事業に特化する、という趣旨の改名である。

 …というのが表向きの話の流れであるが、そもそもこの鉄道は、破綻した「成田新幹線」の代案として、三里塚空港へのアクセス特急を走らせる、という「裏の目的」をもって建設されてきた。
 私が学生でまだ実家住まいだった頃(=学生運動はじめる前)、「近くを北総開発鉄道が通る」ということで、当然のごとく、騒音問題を懸念した住民により「高架反対、地下化促進」の超党派運動が組織された。路線ルート上に区所有の公園があり、その売却に区議会が同意しなければ建設ができない、という担保を元に、超党派の区議団が北総・京成側と交渉に臨んだのだが、「こういう図面にすれば地下化が可能である」という区議側の主張に対し、京成側は「この高砂駅での分岐ポイントは、『技術屋の良心』としてできない」という極めて不可解な反論を行ってきた。その『技術屋の良心』とは何かについては一切のダンマリを決め込む形で。
 私はすぐにピンと来て、懇意にしていた区議に「これは、『ポイントを高速通過させられない』ことを指しているはずだ、そしてこれは成田空港へのアクセス特急を走らせる目論見があることを示している」などと話をしたのだが、 まぁいち学生が何を言おうが関係ないわけで(笑)、結局、「十分な騒音対策を採る」かつ「通過列車を通す場合は事前に地元の承諾を得る」という2本柱で交渉は妥結。建設は予定通りに行われ、現在に至っている。
 確かに、現代の騒音防止技術はすごいものがあり、実家がコンクリート住宅だからというのもあるが、電車の走行音は室内ではほとんど聞こえない。
 ただ、結局私が大アタリとなった(苦笑)「アクセス特急」の方は、軌間が新幹線と同じ1435mmであることもあり、160km/h運転をする、という話が出ている。まぁ都区内の住宅地で、しかも高砂駅もすぐなので、実家付近で160km運転をするとは思えないのだが、そんな高速でも騒音はちゃんと抑えられるのか、についてはそれこそ『技術的に』興味深いところではある。うーむ。

 さっそく社名変更が車両にも反映されたのだな、と、普段あまりに乗り過ぎてきてさほど関心がなく、いつも別のことをして過ごす車内で、↑の余談(笑)含め、いろいろなことを思い起こしながら新柴又に到着した。


Section 26-1-1
実家でいつもどおりのてんやわんや、笑

 新柴又駅からは実家まで徒歩1分。北総が開通するまで、どの駅へも12分以上かかっていたことを思えば、あまりに劇的な変化である。しかし高砂から1駅乗っただけで初乗り運賃200円は加算されるし、なによりも

都区内なのに20分に1本しか電車がない

 ので、使いにくいことこの上なかったりする。

 葛飾柴又といえば「男はつらいよ」の舞台となっており、全国的にも有名な地ではある。
 しかし実際の柴又は、単に帝釈天の門前町として、寺院と現在の京成柴又駅近くとの間の参道の周囲のみが若干にぎやかなだけで、他はとても狭苦しい単なる住宅地である。
 私の父母は1960年、新婚のお祝いとしてここに家をぽーんと建ててもらうという、まさに旧ブルジョアの息子ならでわプレイで柴又に住むこととなるが、私が生まれる直前の家の写真(もちろん白黒)を見ると、…これが見渡す限りの田畑ばかり、家はほとんど見えない。笑
 寅さんは「とらや」という団子屋の放蕩息子であるが、この「とらや」のモデルは、実際に参道に実在する「とらや」ではなく「高木屋」である。そしてここを営む「高木さん」の一族の本業は農業で、柴又一帯の農地を持つ一大農家だったのである。
 私の実家ももちろん、高木さんの所有する農地を借りて建てられたものである。まだ当時は宅地化がはじまったばかりで、高木さんも土地を売る気はなく、敷地はすべて借地だった。
 そして時代は高度成長期に入り、地方から数多くのひとびとが上京してきた。それらのひとびとの所得は決して高くはなく、山手どころか下町ですら、一軒家を建てることは難しかった。そんな人たちが、23区内にもかかわらず農地ばかりだった葛飾区東部に流入し、とても小さな一軒家がぼつぼつと増えてきた。平屋の都営住宅も増え、農地はどんどん縮小し、1980年頃までにほぼ消滅した。
 その後、高木さん一族はありがちな「相続税の支払いのため」というパターンで、土地をどんどん手放していく。実家も、借地権を差し引き、評価価格の3割で土地を買い取っている。
 まぁそんなわけで、要するに「柴又の大部分は、高度成長期まで農地であり農村としての色が濃く、『柴又=下町』というのはフィクションである」とここで説明したかったわけである。笑

 さて、予定より20分遅れたとは言え、新柴又出発は14時36分と決めてあり、それまでまだ2時間以上はある。
 しかし不安神経症バクハツ状態の母は、「家を長期間空ける」という事態に対し、同じところを何度も何度も確認する(というか、結局確認作業をするのは私なわけだが、苦笑)ため、2時間などはアッという間に経ってしまうのであった。


Section 26-2
何を勘違いしたか浅草に出てしまう、恥

新柴又 14:36→浅草 14:54
普通 1434N(北総9015)

 まぁそれでもなんとか、母君にある程度のご満足をいただきまして(笑)、いざ出発。
 で、それにホッとしたせいか、私はかなりなミスを冒してしまう。「上野まで出るのだから、浅草から銀座線が、お金はかかるけど近いっぽい」、ということで、とりあえず浅草まで520円のきっぷを2枚購入。北総から京成経由で都営地下鉄以遠まで乗る場合、「3社連絡割引」が効き、北総200円+京成180円+都営170円の合計額より30円安くなるのである(各社が10円ずつの割引らしい)。都営と東京メトロを乗り継いだ場合にはまた別に割引制度があるわけだが、ダブルで割引になるのかどうか、そんな興味もあったりしたせいか、何の疑念もなく、浅草までのきっぷを購入してしまったわけだ。

新柴又上り線ホーム新柴又上り線ホームからいざ出発

 やってきた電車はシート端が満杯で、母といっしょにロングシートの中央部に座るが、高砂で横の端が空き、スライド。私の方がシート端を占拠するという親不孝状態ではある。
 そして青砥。当然私はそのまま座り続けるのだが、ここで母からソボクなギモンが。

乗り換えないのかい?

 が、がーん!!
 私はこの時点で、ようやく、当初の判断ミスに気づいたのだった。
 我々は上野駅からカシオペアに乗車するのであって、ならば

青砥から上野行きに乗り換えるのがアタリマエ

 なのである。笑
 いやーまいった。押上近くに住む私にとって、そして京成電鉄のかつての意図としても、本線=押上線であり、上野線のことなど眼中になかったのである。
 そんなわけで、本来すごく安くすむはずの運賃を、地下鉄2社に余計に献上するハメになってしまった。しかも乗り換えのわずらわしさだってこっちの方が多いし。トホホ。笑


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不可解な2重割引…いやこれは2重ではないのか?

 まぁ過ぎたことは仕方がなく、浅草で電車を降り、改札口の手前の自動精算機にきっぷを通し、乗り越し先を上野にする。と、精算額は100円と出た。
 …ん???100円???
 これは一見、よくわからない。
 都営地下鉄と東京メトロを乗り継いだ場合、割引額は70円である。なので、押上−浅草−上野というきっぷの場合、170円+160円−70円=90円ではないのか?
 と思ったが、これは恐らく、「同じ社において2重割引は行わない」という制度なのだと推察できる。つまり、都営地下鉄と東京メトロの乗り継ぎでは、恐らくは両社35円ずつの割引を行う。これと、北総・京成との3社乗り継ぎ割引のうち都営の割引額10円を比べ、2重ではなく、大きい方の35円のみを生かしているのではないだろうか。
 これらを総合すると、

事業者 運賃 割引 結果
北総 200 10 190
京成 180 10 170
都営 170 35 135
東京メトロ 160 35 125
合計 710 90 620

 となり、新柴又で520円のきっぷを買ったので、確かに精算額は100円となる、というわけだ。


Section 26-3
そんな割引で東京メトロ

浅草 15:02→上野 15:07
普通 A1501(01-218)

 精算の後、改札口を出て直進すると、ものすごく狭い、東京メトロの改札口がある。ここは銀座線の1番ホーム直結なのだが、浅草駅は始発駅で、電車は1番線・2番線から交互に発車する。そして私たちはまだ時間に余裕もあるので、次の電車は2番線発なのだが、わざわざホームの反対端まで行ってさらに階段を上下してそちらに乗るなどということはせず、素直に1番線にやってきたのに乗ることにした。まぁ、電車はすぐにやってくるので時間的にはほとんど差がないのだが。

 この「1番線乗り換え改札口」に絡み、当然、浅草行の電車に乗ってきて都営に乗り換えるお客さんにとって、「自分の電車は浅草でどっちの番線に着くのか?」は重要な問題である。東京メトロ側もそれは十分承知しており、浅草の手前、田原町に到着する直前に、車掌さんが肉声放送で「この電車は浅草駅では×番線に到着します」とアナウンスしている。もし2番線着であれば、時間がかかってもよいから距離や手間を最短で済ませたい人は、田原町で下車し次の電車を待てばよい、というわけである。

 さすがにこの時間帯でかつ下町区間、電車はかなり空いていて、わずかな時間ではあるが余裕をもって座ることができた。


Section 26-3-1
上野駅ではもちろん五つ星広場

 上野駅では地下通路を通り、そのまま構内の大きな広場へと出ることができる。ここは改装されてまだそれほど経っておらず、改札内のよりは清潔そう、ということで2人ともトイレを済まし、いざ改札に入場。中小国行きの乗車券には穴が開いた。
 そして目指すは13番線ホームにある五つ星広場である。
 ここは、カシオペアおよび北斗星に乗車する乗客のみが利用できる待合スペース。特に何があるというわけでもないのだが、ここに座って、入線する編成を待ち受けよう、という算段である。
 …だがしかし、これが見事に、空いているテーブルなし! 笑
 同じことを考える人がたくさんいた、ということなのだが、ただ、4人掛けのところ2人で掛けているようなところも多かったので、そんなうちの1つに掛けさせてもらう。

五つ星広場五つ星広場 今、上野13番線ホームの待合室にいます。もうすぐ入線。

 特に何か気が利く仕掛けがあるでもなく、屋根があるとはいえあくまでも屋外で冷房もあまり効かず、「五つ星」というにはいささか不足がある気もするが、「専用」というのはやはり「優等列車に乗るのだなぁ」という気分を高めてはくれる。


Section 26-4
カシオペア、豪華に初体験も札幌まで乗れず

上野 16:20→南千歳 8:28
特急〔カシオペア号〕 8009レ(スロネE27-201)

 だがしかし、そんな気分もつかの間の話。10分もしない15時35分に、カシオペアは入線してきてしまう。ということでそそくさと広場を出、部屋のある11号車付近まで延々と歩いた。
 ほどなく、推進運転でスイート車を先頭に現れた編成をお出迎え。開いたドアからただちに自室へと急ぐ。そして荷物など軽く降ろし、ホームに出てから3号車へと走った。そう、シャワー券を真っ先に買おう、という算段である。
 他の乗客はまだ乗り込みもせず、記念撮影などに忙しい(笑)。さすがに余裕で一番乗りとなり、310円支払って6時半から7時までの時間帯を確保できた。
 その後はまた部屋に戻り、母を連れ出して記念撮影などしたり、母なしで

カシオペアの機関車機関車
カシオペアスイートカシオペアスイート

 等々の撮影をした。さらに乾杯用の発泡酒&つまみを、寝台特急の出発前しか開いていない13番ホームKIOSKで仕込み、ようやく自室に落ち着くことができた。
 時刻は16時05分。まだ上野も出ていないのに母と乾杯しつつ、改めて室内を観察。
 ここは11号車1番、いわゆる「車端平屋」で、ほとんどの部屋が2階建てのため天地が窮屈なのに対し、ここは天井がとても広々している。ただし台車の上なので、走行中は他の席に比べると当然うるさくはなる。

カシオペアツイン車端平屋部屋思ったより広い室内。早速母と乾杯。

 あまり鉄道の旅が好きではない(^^;;)母も、トイレまでついているこの個室はけっこう気に入ってくれたようで、かなり上機嫌な模様、話もいろいろはずんだ。その大部分は、某宗教団体と某既成左翼党派の構成員マインドの比較とか、イスラームとユダヤについてとか、まぁいつも私が実家に行くと(というか幼少の頃は毎日行われていた)やっているような議論だったわけだが、母が「今の浴衣は品がない、あんなものは着づらい木綿ワンピースだ」などと力説しながら、窓も閉めずにすっぽんぽんになってカシオペア浴衣に着替え出したときはさすがに頭痛を覚えた。笑

カシオペアツイン車内にて黒磯付近を通過 よっぱらってまーす(デジカメで撮影)

 つまみとお酒が切れ、車販で補充(やったー、サッポロクラシック売ってるよ〜♪)し、さらに呑んでいるうちに夕暮れ。あぁ、鉄道旅行がよいのはこういう瞬間なのだが、それをゆったりと個室で迎えるというのはかなり贅沢感を味わえる。
 ただ、こういうときは母の講釈がますます暴走するのもまた常。「オマエは無知だから『彼者誰』とか『逢魔が時』とかの表現を知らないだろう!」などと説教されたわけだが、でも今回はまじめに勉強になりましたです、ハイ。笑

 そのうち母は、家を出るときの不安感・緊張感から開放されたのか、「寝る」と言い出した。
 今回は直前の個室確保につき、ディナーの予約ができなかったため、21時半からの「パブタイム」で食堂車、じゃなくってダイニングカー(同じやんけ!)を楽しもう、とはあらかじめ決めてあったので、「21時頃起こすから」ということで、母は固定になっている、進行方向に垂直な方のベッドにておやすみ。
 私は、もちろん眠くないので、その間を使い、すぐお隣のラウンジカーに行ってみた。

ラウンジカー 電源車特有の音が響きますがムードはいいです。

 ラウンジカーでは老夫婦や若いカップルが、思い思いのときを過ごしていた。私は1人空しく(笑)、腰掛けてしばしくつろいでみたりして。

 カシオペアは仙台駅を定刻に発車。というわけで母親を起こし、浴衣でダイニングカーはないだろうからふたたび洋服を着てもらい(笑)、3号車まで揺れる車内をえっちらおっちら移動。21時15分頃に入口に到着、またもや一番乗りでパブタイムの開始を待つ。
 そして21時半過ぎ、行列は思ったほどは伸びず、私たちを含め4組のグループが入り、営業開始。

ディナーカーでパブタイムディナーカーでパブタイム
カシオペアワインで乾杯。

 カシオペアのダイニングカーとくれば、まずはオリジナルのカシオペアワインで乾杯と相場は決まっている。母の希望で赤をオーダすると、ウェイトレスさんが、2階席のためかなり揺れる状況で、ちゃんと正式な持ち方でミニボトルを持ち、小さ目のワイングラスに注いでくれる。
 それを見て「よくこぼさないわねぇ」「そりゃープロですから!」と会話をする、あまりに無責任な客の立場の私たち。だがしかし、ウェイトレスさんは明らかにそんな我々の会話に緊張を隠せないのがアリアリ(^^;;)。結局、ほんの少しこぼしてしまったりして、「すみません、私たちが余計なこと言ったから緊張したでしょう?」とさらにダメ押しをしてしまう極悪人な私なのだが、

…はい。(*^_^*)

 あぁ、これでここの食事代のモトは十二分に取ったぞ!! (ひどすぎ)

料理来ますた料理来ますた 堪能ちう。

 パブタイムではコースなどはなく、私たちはとりあえず一番高かったイタリアンハンバーグセットとビーフシチューセットをオーダ。お互いに少しずつ交換してみたが、ハンバーグの方はちとハズレ(^^;;)、ビーフシチューはそれなりの美味だった。あぁハンバーグの方にして失敗か、笑
 その後さらに調子に乗って、白も注文。酔っ払って話しているうちに他のお客さんたちは食事を終えて去り、私たちだけが残った。笑

 楽しい食事も終え、かつ部屋に戻ってみると「今の分は出す!」と母が言ってくれたためm(__)m損失補填としてありがたく頂戴し(笑)とっても満足な私(笑)。ほどよく酔ったところでそろそろ寝ましょう、ということで、これまで向かい合う座席にしていたところを組み立て、進行方向に水平なベッドの完成。私がこちらを使うこととし、23時半頃、浴衣に着替えてお休みなさい…

寝ます寝ます 浴衣〜

 この後、割とすぐに眠ることができたが、途中、あまりの揺れに目が覚めた。恐らく、ロングレールでない区間を走っているのだろう。車端はこれがキツい。ただ、母は睡眠が浅いのだが、あまり気にならなかったそうだ。このあたり、戦争直後の鉄道に乗りつけている人は鍛えられている(そういう問題か?)。

 朝、目覚めてみると長万部に到着していた。おお、ちょうどよい。6時半からシャワーを予約してあるのだから。
 そんなわけで、カッキシにお隣10号車のシャワー室へ。
 このシャワー、30分間のうち6分間だけお湯が出る。もちろん出っ放しになるわけではなく、こまめに出したり止めたりはできるようになっていて、残り時間も秒単位でデジタル表示されるスグレモノだった。

シャワー 意外と狭くなくお湯の勢いもありました。快適快適♪

 出た後、清掃ボタンを押すとシャワー室全体が激しく洗浄される仕掛けになっていて、これがかなりのド迫力。ドライヤーをかけつつ、けっこうビビってしまった。(^^;;)

 さて、シャワーから戻ってみると…なぜか列車は止まっている。外を見ると本輪西、ここで運転停車があるとは聞いておらず、あぁ、これは

カシオペアにありがちの遅延大会

 だとすぐ悟った。
 実は今回の行程、こういうこともあろうかと、南千歳乗換をせず、札幌まで出てからスーパーおおぞら3号に乗る予定としてあったのだが、幸か不幸かこれが当たってしまったようだ。
 本輪西では結局20分も停車。まぁ、南千歳で降りれば余裕で間に合うので焦りはない。
 ということで朝のラウンジカーを冷やかしに。かなり混雑しており、満席だったが、

朝のラウンジカー DD51重連が黒煙上げてがむばってます

 というわけでディーゼル機関車ががんばっている様子を見ることができた。

 その後遅れは多少回復したが、10分以上はありそうだったため、札幌まで出るのは危険と判断。結局13分遅れで到着した南千歳にて下車した。
 あぁよかったカシオペア。これは大金はたいて乗る価値、ありますね!


今日の出費

摘 要 支出金額
京成・北総 押上→新柴又 380
北総・京成・都営 新柴又→浅草 520
北総・京成・都営 新柴又→浅草 母の分 520
東京メトロ 浅草→上野 都営からの乗継割引精算 100
東京メトロ 浅草→上野 都営からの乗継割引精算 母の分 100
乗車券 東京都区内→中小国 12520
乗車券 東京都区内→中小国 母の分 12520
特急券・A寝台券 上野→札幌 カシオペアツイン 32480
カシオペアシャワー券 310
本生500ml×2 422
本生350ml 母用 152
柿ピー 131
わさびマヨネーズせんべい 123
サッポロクラシック350ml×3 750
えだ豆 160
品川巻 150
カシオペアワイン赤 2000
カシオペアワイン白 2000
イタリアンハンバーグセット 2000
ビーフシチューセット 母用 2500
母から損失補填、笑 -8500
今日の小計 61338
今日までの米沢泉美 全駅制覇累計 245485
今日までの総プロジェクト累計 455779

 ここでいう支出では、前売りの乗車券類の購入など、 本旅行中で後日行使するきっぷの購入は計上しません。そのかわり、 前もって買っておいたきっぷの行使は計上します。また、青春18きっぷ等の「複数人日分乗り放題となるきっぷ」については、1人日分の値段を計上します。割り切れない場合は、1円未満の端数分を初回行使分に上乗せします。



Written by Yonezawa Izumi <izumi@nurs.or.jp>
Last Update: 2005/05/19
鉄分補給にご協力ください。