年内に本編を終わらせ、あとはオマケを追加していこうと目論んでいたこのプロジェクトも、相変わらずの超多忙によりその予定が破綻。しかし12月頭の段階では「年内制覇」を当然のごとく予定していて、「正月はやっぱオマケで東北でしょ」とか勝手なキメコミ(笑)により、何も考えずに元旦発のムーンライトえちごの指定席券を発券していたのであった。
「何も考えずに」とはいえ、お気軽に行ってこられ、かつこのプロジェクト絡みで何かするとすれば、それは本編中にもちと触れた、今泉再攻略が現実的である。あまりにインチキな、「今泉駅構内」を実際に乗り、さらにその現場を訪れる、というわけだ。
さらに、結局日が暮れる間際・暮れた後の攻略となってしまい、ルール上は問題ないというもののわずかに悔いが残った(笑)南米沢・西米沢をも再訪しておきたい。
そして当初は、この3点に、MLえちごから米坂線経由でアプローチし、夕方に奥羽本線を下りて夜遅くに帰宅、というありふれたコースを考えていたのだが、その後ネット上で米沢市内のバスを執拗に調べた結果、両駅からそう遠くないバスを駆使することによって、かなり絶妙な予定を組んで、明るいうちに奥羽本線の各駅停車に乗れ、これも願望としてあった福島から飯坂線全線完乗をやってなお、遅くならないうちに東京に戻れることもわかった。
大晦日は、まさに本編vol.17で昼に戻り、その後はにっきに書いたとおりのスケジュールで動いた後、実家からいったん帰宅。すぐに出発した。
錦糸町では、券売機で290円区間のきっぷを購入し電車に乗り込んだ。
この290円というのは一見妙な額である。
毎度おなじみ18きっぷルールでは、日付をまたぐ電車に乗る場合、翌日分の18きっぷは翌日最初の発駅から有効になる。MLえちごの場合、大宮−高崎間が日付変更線なので、18きっぷは高崎から有効となるのである。そして、錦糸町→高崎をまともに購入するとなんと1890円。18きっぷ1枚分には届かず、しかしそれなりの額だ。
そこで、マニアはMLえちごには高崎から乗車する。高崎より手前では、MLえちごの1本前の電車に乗るのである。この電車はもちろん各駅停車で、北鴻巣を0:00に発車する。つまりこれに乗り、高崎でMLえちごに乗り換えることによって、前日分の運賃は錦糸町→北鴻巣、950円で済むのだ。
しかしここで満足してはまだまだマニアとはいえない(笑)。
JRの運賃計算にはいくつかのポイントがあって、このルートの場合、大宮までの旧国電区間は同じ距離あたりの運賃が若干割安に設定されているのだ。実際、錦糸町→大宮は540円、大宮→北鴻巣は400円で計940円。さらに、JRの運賃が「中距離に優しい」こと、具体的には、1kmあたりの運賃が15kmで最も安くなることに注目し、15kmぎりぎりとなる大宮−川口と川口−錦糸町を分割すると運賃はそれぞれ210円・290円。これだと、錦糸町から北鴻巣まで900円で行けてしまう。新宿や大宮から乗車する場合の半値未満になってしまうのである。
私が290円区間のきっぷを買った理由はまさにこれで、要するに川口までのきっぷ、という意図なのである。
もっとも、短距離のJRの運賃は、乗った後での精算は「差額徴収」である。よって、この290円きっぷをそのまま差し出すと、「950−290=660円ください」と請求されてしまい、総額は決して900円になることはない。
ということは、普通に考えれば、まず京浜東北線で川口に出ていったん下車し、次に川口から210円きっぷで入場し京浜東北線で大宮下車。さらに400円きっぷで入場し高崎線に乗る、という、おそろしく時間も手間もかかる方法をとる他はないように思える。
しかし実は、そんなことをせず、いきなり「MLえちごの1本前」に上野から乗りつつ、900円で済ませる方法はあるのである。あらかじめ、川口→大宮と、大宮→北鴻巣という乗車券を購入しておき、この3枚を提示すれば、乗車した全区間について正当なきっぷを所持しているということで無罪放免になるのである。JRの駅では「指定券と同時に買わない限り、自駅以外発の乗車券は売らない」という規則なので、通常の方法では川口発や大宮発のきっぷは川口や大宮でしか買えないが、「各旅行会社では、1ヶ月前から全国の駅発の乗車券を購入できる」ということで対処できる。
そして実際に私は、事前に、「1月1日:川口→大宮」と「1月1日:大宮→北鴻巣」という乗車券を、渋谷のびゅうプラザで発券済みである。もちろん、きっぷはマルスで発行されるので、額面が210円の短距離きっぷのくせに、特急券と同じサイズ・フォーマットだったりする。
予定通りのぎりぎりの乗り換えをしつつ、上野でちょうどターゲットの電車を捕まえる。後ろ2両はセミクロス車両だ。そして、北鴻巣を過ぎたところで、車掌さんに上記3枚のきっぷを提出した上で、18きっぷに2日付の日付印を押してもらわねばならないので、迷わず一番後ろの車両を選び、1ボックスを確保。高崎線はほとんどの駅でこの最後尾が下車に不便らしく、客はほとんどいない状況で、結局終点高崎までずっと1ボックス占拠状態だった。
さすが1月だけあり、籠原では雪がちらつき出した。そして、各駅ごとにドアから吹き込む冷気はハンパではない。
そんな中、モンダイの北鴻巣の1つ手前、鴻巣を発車したところで、突然、前方の車両から2人ほど、鉄ヲタ臭がする男性がやってきた。ははぁ、考えることは同じだな(笑)。
そして北鴻巣を発車した直後。私を含めた3人はぞろぞろと車掌室へ(笑)。1人ずつきっぷを提出した。私の場合はさすがに4枚もあるので、一応説明はしておいたが、車掌さんはやや驚いていた。
「とりあえずお預かりして、後でお返ししますので」ということで席に戻ると、30分後くらいに車掌さんがやってきて、ちゃんとまちがいなく私が差し出した18きっぷを渡してくれた。各駅停車なのに、ある意味大サービスである(^o^)。
高崎で、MLえちごに乗り換える。
12月のダイヤ改訂で、MLえちごには細かい変更がいくつかあった。最大のものは、下りの新潟止化による乗り換えの必要性と、上りの赤羽通過による東海道本線のMLながら車両回送列車への接続ができなくなったことだが、個人的には、「高崎でのダイヤ変更」も挙げておきたいところだ。これまでは、MLえちごは常に今乗ってきた電車より後を走り、かつ、高崎で長時間停車していた。これにより、わざわざ北鴻巣で車掌さんの手を煩わせずとも、高崎で途中下車し、その際に改札で精算すればよかったし、また高崎駅前で吉牛したりローソンで酒や食料を調達したりもできた。しかしダイヤ改訂により、MLえちごはいったん先行する電車を追い抜き、高崎でこれを待ち、ほどなく高崎を出てしまうということになった。これにより、高崎での精算も途中下車も困難になったのであった。
やはり雪がちらつく、寒い寒い高崎駅ホーム。跨線橋を渡りMLえちごへと向かったが、しかし、暖房対策で、ドアは閉められており乗り込めない(笑)。しばし待ち、発車まであと5分というところでようやくドアが開いた。
私の席には先客の女性がいた。どうやら、窓側が空いていると思って通路側から移動したらしい。一応確認をした上で、通路側に座らせてもらう。
ここから先、MLえちごは時間調整のため主要駅で運転停車を繰り返しながら進む。減光された車内は眠気を誘う。新前橋を過ぎたあたりでうとうとし、その後水上停車中に一時的に目が覚めたが、その後は一気に新潟まで。
新潟では、同じホームの隣に入線済みの快速に乗り換える。
こんな朝っぱら、この電車の利用客は、MLえちごから乗り通す客がほとんどだと思われる。それなのにわざわざ別建てとした理由は、うわさでは、MLえちごの遅れや運休といった事態に対処するためらしい。大幅遅延のときなど、接続を取らずにさっさと新潟を出発させてしまい、その後のダイヤや車両運用の乱れを防ごう、というところだろうか。
隣で待っていたのはE127系。初めて見る電車だが、オールロングシートながら乗り心地は701系以上。もちろんドアはボタン開閉式で寒さもあまり気にならない。そんなわけで、新潟を出てすぐに意識を失い、復活したのは村上に到着する直前だった。
いつもなら、ここから地下通路ダッシュをして、酒田行きの気動車のボックスシートを確保するのだが、今回はその必要もない。雪が積もるホームをあわてずゆっくり移動し、真新しいのになぜか男女兼用のホーム内トイレで用を済ませてから改札を出た。
村上駅の待合室は、既にこの時間からストーブがガンガン炊かれていて暖かい。ということで、このまま7時台の電車までここで温むことにし、モバイルなどして待った。
7時少し前、突然の構内放送が鳴り響いた。
「特急が遅れております。始発の各駅停車は先に時刻通り発車します。」
げげ。ややあせり。
こういう場合、特急を最優先に運行するために、途中で特急が普通を追い抜き、それによって坂町で米坂線の接続を逃す、という可能性がなくはない。米坂線の運転密度は極端に小さいので、ここで乗り継げないと今日の予定はすべて完全にだめになる。
ということで、みどりの窓口で相談プレイ。
しかし駅員さんは、「まぁまぁ、そうあわてなさんな」とでも言いたげな微笑を浮かべつつ、「だいじょうぶ。」と自信ありげに返答。「追い抜かれたりしないんですか…」と問いかけてみると、「だって坂町までの途中に追い抜き設備ないから。」
なーんだ。(^^;;)
程なく改札が始まった。夜も明け、一面の銀世界。乗客もまばらな電車は荒川を渡った。荒涼とした光景だった。
定刻通りに坂町で乗り換え。米坂線の気動車には既に何人かの乗客もいる。
そして、予想される範囲内ではあったが、「特急との接続をとるためにしばらく発車しません。」
またまた、がーん。
米坂線のダイヤは、積雪対策で相当余裕を持って組まれているので、順調に動きさえすれば、10分程度の遅れは簡単に解消できる。しかし、現に特急が遅れているような気象状況があるわけで、順調に動くかどうかなどわからない。そしてある程度以上遅れると、今泉で予定していた山形鉄道の列車に乗れなくなってしまう。
まぁしかし、ここでじたばたしても仕方がない。1ボックスを占有し、黙って待つ。ちなみにPHSは圏外だった(笑)。
そしていなほ2号がようやく到着。驚いたのは、そのいなほ2号にここから乗る人の多さである。たいした距離ではないのだが、特急料金はもったいなくないのだろうか。あるいは多くの人が新幹線と乗り継ぎ割引で気にならないのだろうか。
ともあれ、これを受けて12分遅れにて坂町を後にした列車は、まずは先ほど渡った荒川を上流に向けてなぞっていく。越後下関はそれなりの市街があり、有人駅だったのにはびっくりした。といいつつ、他の無人駅にも結局除雪要員が張り付いているのだけれど。
そして小国からは、もう完全に山の中。しかも猛烈に吹雪いている。
そんな中でも、列車はなんとか順調に進み、小国を出た時点で遅れは解消されてきた。
しかし、羽前沼沢で突然、列車はバックをはじめた。おそらく、空転して進めなくなったのだろう。何度かトライするがうまくいかず、除雪要員も心配そうに見ている。乗客も、地元民以外はみんな不安そうな表情を浮かべていた。
結局、5分後にようやく列車は動き出した。
手ノ子では吹雪いているのに雲間から太陽が覗いている。お天気雪とでも言うのだろうか、こんなのを見たのは初めてだ。
そしていよいよ、問題&念願の「今泉駅構内」に突入。そのまま一気に走り、2分遅れで今泉に到着した。
今泉に、2ヶ月ぶりに戻ってきた。とりあえず吹雪はやみ、日差しも指している。いい冬景色だ。
そしてすかさず、今度は「駅構内」を山形鉄道側に抜けるべく、2番線に急いだ。
すでに到着していた山形鉄道はなんと2連。そしてこれがそこそこの混雑。
その理由はすぐにわかった。
なんとも太っ腹なサービス日にやってこれたことを幸せに思う。
さて、今から「今泉駅構内」を通って山形鉄道に抜けるが、山形鉄道はもともとは国鉄長井線が3セク化されたもので、国鉄時代は線路の共有にはなんら支障はなかったし、分岐点を信号場とすることになんの問題もなかったのである。しかし、3セク化によって、分岐点が独立した信号場だと、その区間の路線をJRと山形鉄道で共有しなければならなくなる。これは非常に面倒だ、ということで、白川信号場を無理矢理「今泉駅構内」とし、もともと共有することが避けられない駅設備の共有だけで話を済ませようとした、ということが用意に想像される。
そして、その「駅構内」という定義づけがいかに無理矢理かを、私は身をもって体験しにきた、というわけだ。
というわけで、分岐店まで優に1kmは超え、しかも鉄橋で川を越えねばならない「駅構内」を、現認しつつ通過した。ここが「駅構内」なのだから、その前に渡った鉄橋も当然「駅構内」になるのだろう。なんとも妙な話である。
分岐点から、隣駅時庭まではすぐ。というか、明らかに、今泉−分岐点の方が分岐点−時庭よりも長いぞ。
100円払って下車したのは私だけだった。
そしてここから私は、無謀にも、さきほど通過した「駅構内」に直接たどり着こうと、雪中行軍を開始した。
しかし。
出発するや否や、それまで晴れ間も出ていた天気は急速に悪化、吹雪き出したのである!
それでもここは1つ「乗りかかった船」ということで、引き返すことなくがしがし進んでみる。
しかし探索もここまで。ちょっと見た限りでは、簡単に直行できる道はなさそうだ。
そして、土手を延々と回っていく道は、まじめな話、雪に埋もれて遭難してしまう危険性すらあると考えられたので、ここは勇気をもって断念を決断した。
しょうがない。ここはやはり、夏に再々訪しなければならないだろう。\(^o^)/
再び時庭駅に戻り、暖房のない待合室で列車を待つ。
上りに乗って戻るので、直前の下りを普通に見送ったのだが、直後おじさんが登場し、方言で「下りは行っちゃったか?」という趣旨の質問をされた。当然「行っちゃいましたよ」と告げたところ、おじさんはえらく落胆し、また駅を出てどこかに行ってしまった。
やってきた列車は、先ほど乗った車両の単行折り返し。そしてなんと満員で、着席できなかったのである。恐るべしワンコインデー。
そして今泉でも、下車は私ともう1人だけ。ほとんどの人は100円で赤湯まで乗りとおすのだろうか。そして温泉にでも行くのだろうか?
今泉では待合室のストーブの間近に陣取り、冷え切った体を温める。周りで若いカップルが3組、いちゃつきまくっているが、そんなことはおかまいなしにモバイルモバイル。
吹雪がひどくなってきたせいか、米坂線の快速は5分遅れでの運転とのお告げ。でもいつくるかわからないので、定刻には再び寒さの中へと出て行った。
4分遅れでやってきたべにばな2号はほぼ満席。さらに乗客を乗せ、立客も出る状態で再び出発し米沢に到着。
米沢では、攻略時、まだ工事中だった東口がどうなっているかを早速チェック。
さて、ここからは2社のバスをフル活用して、昼のうちに一気に南米沢・西米沢を再訪してしまおう、という、よく言えば絶妙、一歩間違えば無謀なコースになる。
まず米沢駅で乗り込んだのは、白布温泉行きのバスである。これで、南米沢駅の150m手前までアプローチできる。時刻表によればそのバス停までは10分。いくら雪道でも21分発のJRには確実に間に合うだろう。
しかしそうはならないのが人生というもの。(笑)
観光バス仕様の車内に料金箱が取りつけられているこのバスに、発車間際、足の「不自由」なおばあさんが乗ってきた。親切に介助する運転手さん。ところが、このおばあさん、乗るバスを間違えていたのだった。そしてそれに気づいたとき、おばあさんが乗りたかったバスが目の前から出発してしまった。運転手さんはあわててバスを飛び出し、前のバスを止める。そしておばさんが乗り換え。ここでまず3分のロス。
そして、途中のバス停で、老夫婦が降りるか降りないかで運転手さんともめている。これで2分のロス。おまけに雪道でバスは徐行運転。
さぁ、もう頭はパニックになった。なにせ、このバスで間に合わないと、予定がこなせないだけでなく、そもそも南米沢から米沢まで戻ること自体が大変な困難になってしまうのである。
しかし、なんとか目的の停留所に到達。これがまた、料金表に停留所名が出てないというすばらしさ(笑)。とりあえず 220円払って飛び出し、転ばないように気をつけながらも猛ダッシュ。
そしてなんとか、列車が出る3分前に南米沢駅に着いたのである。
薄暗い中の攻略となってしまった南米沢、再訪してみたが結局雪の中なので条件は変わらないかもしれない(笑)。
そして南米沢から1駅乗車し、西米沢で下車。こちらは完全に暗闇状態で攻略したので、明るい様子を見るだけでもよしとしたい。
これでなんとか、両米沢駅の昼間を見ることはできた。バスとのアプローチで駅前もちゃんと歩いたしね(笑)。
さて、しかしここで話は終わらなかった。
ここからは、米沢市が運行している市民バスで、やはり絶妙に駅まで戻れるのだが、歩道に人通りがあまりないせいか、雪、雪、雪で、バス停にたどり着くまでが大変だった。ひざより下を雪まみれにしつつ、8分かかってまずなんとかバス停にアプローチ。
そしてここで微妙な判断を迫られることになった。実はこのバスは循環路線で、右回り・左回りの双方どちらに乗っても米沢駅にはたどり着け、料金は200円均一、所要時間も大差はない。そして、このバス停の発時刻は、左回りが34分、右回りが44分なのである。
そして今は33分。もし左回りが行ってしまっていたとしても、右回りに乗ればよい。
まぁしかし、この雪だから、予定時刻より早く運行してしまうことはまずないだろう。ということで、左回りの停留所でまず待機した。
ところが、バスは40分になってもやって来ない。おかしい。もしや、左回りはもう行ってしまったのか? 悩むに悩むが、やはり左回りは行ってしまったのだと決断し、42分に右回り側のバス停に移動した。なお、横断歩道とか歩道橋の類はなく、けっこう車が通る雪道を無理矢理横断しての移動である。
そして、だ。
賢明な読者のご推察の通りだと思うが、
すぐに、左回りのバスが来やがった。
がーん。ということは、左回りが10分近く遅れているということで、右回りを待っていたら米沢駅で予定の電車に乗れない可能性がある、ということだ。
これに乗り遅れtると大変なことになる。
もう、恥も外聞もなく、左回りのバスに「乗りま〜す!」という意思表示をボディランゲージで行った。そしてバスは止まり、必死に道路を横断して、なんとか乗り込むことができたのだった。
普通のバスよりも小さい車内は、若い女性がたくさん。けっこう冷ややかな目で見られたが、さすがにこのときばかりは若干恥ずかしかった。(^^;;)
このバス、完全に地元密着で親しまれているようで、けっこう頻繁に乗降もあり、終点米沢駅まで乗った人は私のほかにもう1人だけだった。
ふぅ。なんとか米沢までたどり着いた。ともかく安堵。
そしてここからは、改軌され各駅での構内配線も全面的に変えられている奥羽本線を、昼間の各停で通る、というプレイである。
さっそく入場し、前回とは別の業者の駅弁、牛肉どまん中(1000円)を購入してから乗り込んだ。
車内は予想以上に混雑し、クロス部はほぼ全席がいっぱいになっていた。仕方なく、ロング部の残り少ない空席を確保し、駅弁をパクつく。
各駅停車なので各駅に止まりながら進む電車だが、旅客の流動がほとんどない。そういえば、この前後には新幹線直通特急がない。だから、普通に東京に出る観光客などもこの電車を使っているのだろう。
肝心の各駅は、すべてスノーシェードで覆われた簡易なホームで、味もへったくれもあったもんじゃない。
そして「峠の力餅」で有名な峠駅にも、同じように単調に電車は到着しようとしたのだが...
突如、何人かの観光客が、手に1000円札を握りしめ、ドアに向かうではないか。
そして到着するや否や、ドア開きボタンを押す。
と、そこには力餅の売り子さんがちゃんといたのであった。
すばやく1000円を差し出し、購入する皆様方。
なるほどね。これ、どっかの旅行ガイドにマニュアル的に出ているのだろうな。
雪もまったく降っていない(笑)福島駅に出たら、もうあとは帰るだけ、でもよいのだけれど、今度は10月13日の公約のうちの1つとして「飯坂線に完乗する」というのがあったので、これをやっておくことにした。
福島で6分の待ち合わせの、14時15分発の電車は、まさに10月13日に目の前で行ってしまった電車に他ならない。そしてまた、戻りで乗車するのは、10月13日に乗った列車そのものである。
そして今回乗ったのは非冷房車。折り返し電車としてやってきた編成はすぐに埋まり、私はなんとか何の変哲もないロング中央部を確保できたにとどまった。
前回と同じく、福島近辺の小間切れ停車とJRのオーバハングを通り、泉。
そこからは未体験ゾーンである。しばらくは凡庸な感じだが、平野を出ると、進行方向すぐ右側に、なんと線路側に玄関がある民家が並んでいる。線路のすぐ左横には飯坂街道が並行していて、そこと玄関が、無数のプライベート踏切でつながっているのである。このあたりは限りなく路面電車っぽいところだ。
そしてその飯坂街道と分かれると、唐突に終点、飯坂温泉となった。
ちょっと駆け足の訪問になってしまったが、なかなか堪能できた飯坂線であった。
さて、ここからはもう、まるで面白くない(爆)もう何度も何度も通り過ぎた帰り道である。
黒磯まで乗り換えなしなのはめんどくさくはないのだが、なにせ701系。車端を確保できないとがっちりとは眠れないのだが、あいにく確保できたのはシート端。いま0.5くらいの感じでうつらうつらしていた。
続くラビット号は115系のオールセミクロス。当然のごとく1ボックス確保したが、宇都宮からは7両増結したにもかかわらず大量の乗車で各ボックスが2人に。私のボックスの逆方向シートにも、女子中学生と思われるコが乗ってきた。さらに久喜では完全満席になり、ここから上野まで延々と窮屈な旅だった。
最後はちょっと疲れたな。そして、この疲れによって、見事に、翌日の予定は白紙撤回されたのであった...^^;;