よねざわいずみ 全駅制覇 Report Vol. 17
はじめてのさんざんざんの大々々波乱
− 1月4日(土) 東武和泉・小泉町・西小泉・東小泉・上泉−

今日の行程


発 駅 時刻 列 車 時刻 着 駅 制 覇
193 業平橋 5:24 準急B 2405 6:13 東武動物公園  
194 東武動物公園 7:02 準急B 2507 7:13 鷲 宮  
195 鷲 宮 7:47 準急B 2409 7:57 加 須  
196 加 須 8:22 準急B 2409 8:55 館 林  
197 館 林 9:10 準急B 2409 9:30 東武和泉 東武和泉
198 東武和泉 9:54 準急B 2415? 10:07 太 田  
199 太 田 10:23 普通 415 10:56 赤 城  
200 赤 城 10:58 普通 26 11:31 上 泉 上 泉
201 上 泉 11:52 普通 27 12:23 赤 城  
202 赤 城 13:17 普通 442 13:48 太 田  
203 太 田 14:20 普通 935 14:28 東小泉 (東小泉)
204 東小泉 14:33 普通 735 14:38 西小泉 西小泉
205 西小泉 14:50 普通 746 14:52 小泉町 小泉町
206 東小泉 15:46 普通 748 16:03 館 林 東小泉
207 館 林 16:26 準急B 2550 17:40 北千住  
208 北千住 17:46 普通 1759 18:15 表参道  
17日目 小計 5駅
今日までの累計 55駅

Section 17-0
連日寝坊で大ピンチ…どころじゃなかった

 2002年中に全駅制覇を達成する予定だったこのプロジェクト、スケジュールの都合で今年にずれ込んでいるが、今度は寝坊という実に後向きな理由で更なる延期が決まってしまった。
 エクストラトラックとして、元旦・2日と雪深い山形県を回ってきたが、その疲れが出たのか3日に大寝坊。本来3日に早起きして初電に乗って回る予定の北関東私鉄攻略がパーになってしまった。(泣)
 この北関東、ダイヤに平日・休日の別がほとんどなく、朝方に回ると非常に効率よく攻略できるが、これを逃すと恐怖の1時間ヘッドとなってしまい、なんと明るいうちに回りきれなくなってしまうのである!
 よって予定をずらし、本来4日に回って全駅達成とするはずだった静岡を13日にまわし(そこまではすべての日にすでに予定が入っている)、北関東を4日にあてることとした。そして3日は仕事をしよう、という算段である。
 だがしかし、結局3日にあまりに寝すぎてしまい、仕事にもいけず、さらに寝たのが2時半で、目覚ましをかけたのに気づいてみたらすでに4時45分! これはヤバすぎる、ということで、シャワーも浴びずメークもせずにあわてて身支度して家を飛び出した。
 そう、この後更なる災厄が訪れるとも知らずに…


Section 17-1
突如、運行打ち切り

業平橋 5:24→東武動物公園 6:13
東武伊勢崎線 準急B 2405(サハ14654)

 業平橋にはいちおう余裕をもって到着、東武和泉までのきっぷを購入。この時点で、プロジェクト経費が20万円を突破した。飲み代が少なくない部分を占めているとは言え(笑)、われながらやりすぎである。
 待合室でしばし待ってからやってきた伊勢崎行きに乗車。浅草から乗ってきた乗客は3人、業平橋からの乗客は私を含め3人で倍増だ(笑)。
 例によってメークをしているうちに北千住。乗客は少しずつ増えてきて、ロングシートは1/3くらいは埋まっている。
 その後、せんげん台までは乗客が増え続けたが春日部でまとまった降客。そして東武動物公園からもまとまった乗客が。
 …だがしかし、ここで突然、耳を疑うアナウンスが…

現在、架線凍結の影響で
下り電車は運転できなくなっております。
この電車は当駅で運転を打ち切ります。


Section 17-1-1
東武動物公園で待ち

 あまりにショックな話だ。昨日の予定をまるまるつぶしてしまった挽回として、早起きして夕方前には出向先に顔を出そうと思っていたのに、これではどうなるかわかったものではない。凍結なのでよっぽとのことがない限りは昼前には運転は普通になると思われたが、そうすると前述のとおり時間的に非常に厳しくなる。引き返すべきか、悩みどころだ。
 ということで某チャットに出入りしてみたが、なぜか偶然にも2人も人がいて、情報として「JRも止まってますよ」とのこと。そしてこの情報を聞いて思い出したのが、そういや東武のサイトに事故情報ページあったようなぁ、という一見脈絡のない話。
 果たしてアクセスしてみると、ある意味、駅員に聞くよりもはるかにリアルタイム性が高い情報がそこで随時更新されていた。それによると、動物公園−太田間が運休、小泉線は大幅遅延、他は動いているとのこと。非常に微妙なところで、悩みつつチャットをしていると、6時50分ころ「次の列車は鷲宮まで運転します」との構内放送。
  これで意を決した。先に進もう。


Section 17-2
消える室内灯、スパークするパンタグラフ

東武動物公園 7:02→鷲宮 7:13
東武伊勢崎線 準急B 2507(33603)

 浅草を6時10分に出てやってきた電車に、待ちくたびれたお客さんたちがどっと乗り込む。席は8割方埋まる盛況ぶりだ。
 そして、ややスピードを落として走り出した鷲宮行き。差し込む朝日ですぐには気づかなかったが、室内灯が、まるでデッドセクションを通過したかのように、一部を除いてついたり消えたりしているのである。もしやこれは電圧の不安定?
 そして窓の外を見ると。

うぉぉぉぉぉ〜! 光ってるよ!
氷の粒が飛び散ってるよ!!

 まじでヤバそうな状況にちと不安になりながらも、こんなところまで、という感じで無数に団地がそびえ立つ久喜から鷲宮を迎えて、電車は折り返し用の2番線に入線した。久喜でも鷲宮でも、相当数の人がそのまま駅を降りていった感じだった。


Section 17-2-1
鷲宮駅、水浸しの架線

 鷲宮で、乗ってきた電車は折り返し準急浅草行きになるという。そして3番線には「回送」と銘打たれた1編成がたたずんでいる。運行再開のメドはたっていないらしい。
 ホーム上では保線の人が多数、あわただしく動き回っている。何か動きがわかるかも、と思って、運休区間側のホーム先頭に行ってみたら…

架線から解け出す架線から氷が解けていく
ホームもカチンカチンホームも雪が凍ってカチンカチン

 こりゃ大変だ。
 さらに、上り線を、特急りょうもう車両が回送運転していったが、パンタグラフの通ったところには青緑色のスパークの雨あられ。いやーすごいものを見てしまった。
 そうこうしているうちに、7時45分ころ、「3番線の電車を2つ先の加須まで運転します」とのアナウンス、そして突如ドアが開いた。あわてて飛び乗ったら、まもなく発車。これじゃ、橋上のコンコースにいた人は乗り損ねたんじゃないだろうか??


Section 17-3
さらに2駅だけ

鷲宮 7:47→加須 7:57
東武伊勢崎線 準急B 2409(33612)

 とりあえず加須(かぞ、って読みます)までわずかながら進むことに。今回はもう、スパークは起こっていないが、かなりの徐行運転である。いや、徐行運転したから無事だったのかもしれない。
 加須でもやはり折り返し用の2番線に到着。今度は3番線に控えている電車はない。


Section 17-3-1
いかん、バッテリーが…

 運行再開までとりあえずネットにアクセス。しかし、モバイルするとLOOXのバッテリ消費量はとても上昇する。そして今日は予定より大幅に時間がかかる以上、バッテリは倹約しながら使わねばならないはずだ。だがしかし、つい自分の掲示板に長文カキコを、オンラインでしてしまった(笑)。あぁ、どんどん減るバッテリ。。。
  そしてアクセスを自粛しようと切断しかけたとき、朗報が。「2番線の電車を館林まで運転します」


Section 17-4
ようやく運転再開

加須 8:22→館林 8:55
東武伊勢崎線 準急B 2409(33612)

 ということで先ほどと同じ電車に乗り込み、館林まで進む。車内はかなりすいているということで、このあたりはもともと休日流動は少ないのだろう。
 スパークもなく進む電車だったが、川俣でふたたび停車。ここでこんなアナウンスが。

足利白鴎高校受験の方、
この駅からバスが出ますので乗ってください。

 そういう連絡まで電車の中に行き届くというのはすばらしい。公共交通機関である以上当然とも言えるけれど。
 そして続けて車掌さんは「現在、館林駅構内に入れないため発車を見合わせています」と丁寧なアナウンスしていた。
 結局川俣には10分弱、停車した後運転再開。後はそろりそろりと、館林にたどり着いた。


Section 17-4-1
小泉にYESかNOか?

 といっても現政権への評価のわけがない。もしそうなら、私としての答は自明だからだ。(笑)
 このあたりには4つの攻略ポイントが固まっている。そして、当初は伊勢崎線上の東武和泉に先にアプローチする予定だったが、こういう状況だと小泉線方面を先に片付けるべきかどうかを考えねばなさない。
 ところがどっこい。早い話が、両線とも、現場で見る限り、ちっとも動き出しそうにない。そこですかさず東武の障害情報ページにアクセスすると、小泉線のみが全面ストップ、他は運行再開、とある。なるほど。もうすぐ動き出すのなら、東武和泉が先だ。
 果たして、先ほど2度にわたり乗ってきた電車の方向幕は「準急伊勢崎行き」に変わり、ドアが開いた。


Section 17-5
3たび同じ列車でようやっと攻略ポイントへ

館林 9:10→東武和泉 9:30
東武伊勢崎線 準急B 2409(33612)

 執拗に同じ車両に乗り続けてみる(笑)。いよいよ攻略駅が近づいてきた。
 と、外はものすごい霧である。10m先は見えないくらいの感じだ。
 ただし架線のほうはもう大丈夫なのか、ようやく、普通のスピードで走行するようになった。
 途中、無人駅の県(あがた、と読みます)で遠隔の業務放送があり、 「予定と違うがここで交換します」との指令。さらに、この列車が2409を延々引きついで走っていることもこの放送からわかった。
 ちょっと晴れ間が出てきて、霧が消えてきたところで、2時間遅れで最初の攻略ポイント、東武和泉に到着。


Section 17-6
東武和泉駅

東武和泉 とうぶいずみ 東武鉄道 伊勢崎線 栃木県足利市

 次の電車はいつ来るのか、どう乗り継げばよいのか、などさっぱりわからない状態のままに、とにかく到着。交換不能な無人駅である。
 田舎っぽい雰囲気もあるが、宅地開発も行われているようで、更地が目立つ。

ホームからの眺望ホームから空き地を眺める
ホーム上ホーム上には取ってつけたような跨線橋が
駅舎全景古風な駅舎全景
駅正面こちらが駅正面なのだろうか 駅名看板は色褪せている
駅舎内駅舎内 出札窓口や改札口の跡はそのままに
跨線橋の出口上記の跨線橋の出口 乗降証明書発行機もないのに、踏切が閉まった後ではここからダッシュしても間に合うかどうか非常に微妙なのに、いったい誰がここを利用するのだろうか?
駅標&2ショット駅標&2ショット 既に顔が疲れてます(笑)

 撮影が終わると、再び太陽が隠れ、霧が立ち込めてきた。今のところはまだ微妙な空模様だ。


Section 17-7
エンジンかかってきたかな?

東武和泉 9:54→太田 10:07
東武伊勢崎線 準急B 2415?(モハ13434)

 私のほかは誰もいないホームに、遠隔放送で「下りは定刻通り、上りは10分遅れです」とのアナウンスが響き渡る。よし、とりあえず太田まで出よう、と決めた。実はこの時点で、今日のワナがはじまっていたのだが…
 太田から先は選択肢が2つあるが、こちらから回る以上、まず上毛電鉄を攻略しておこう、とばかり、足利市に停車中、PHSで上毛電鉄本社に電話で確認した。「今は平常運転しています」とのおばちゃんの力強い応答に、迷わず上毛行きを決断した。
 本日はじめての、定刻通りの運行で提示に太田着。


Section 17-7-1
不可解な裁定

 太田では若干時間があるので、精算窓口に行って2つのことを済ませようと思った。1つは、2時間以上遅れが出たので、運賃を払い戻してもらえないのか^^;;という照会、もう1つは、赤城での乗換えがシビアなので、無人駅たる東武和泉から赤城までの精算をここで済ませてしまえないか、という照会である。
 そして前者についてはあっさりと結論が出た。東武では、遅延による運賃の払い戻しはしない、と決まっているそうな(^^;;)。
 もちろんそれは規則だから問題なく従うのだが、もう1つの精算はどうなるのか。
 ところがここで、太田駅の精算窓口氏は不可解な回答をしてきたのである。
 曰く、「赤城で、その乗車券を見せて乗り越し精算してください」。
 ん??私は正直に、東武和泉で下車したと申告し、乗降証明書まで持ってきたのだ。ということはこの業平橋→東武和泉の乗車券は前途無効になっていて、改めて東武和泉からの運賃を支払わねばならないはずである。
 その旨主張してしばらくがんばったが、窓口氏は取り合ってくれない。どころか、東武和泉の乗降証明書を没収したのである。
 うーむ、こちらが「余計に運賃払う」と言っているのに、なんで敢えてそういう扱いをするのか。
 これは、ルール3の前項からすると非常に微妙である。下車というのは一般の語感とは違い、「改札を出ること」を意味する(「途中下車」という語を考えればよい)。そして、途中下車やフリーきっぷの類でない限り、改札を出たらそこで乗車券は前途無効となる。だから、業平橋から赤城までで運賃計算されるという事態は、東武和泉で「改札を出た」ことにならなくなってしまうのではないか、ということになりかねない。
 ここは納得がいかないし微妙なところだが、これ以上かけあってもムダだろう。しかも目の前で乗降証明書を回収されていて、これを再びよこせ、という要求はさらにハードルが高いと思われた(不正乗車に流用できるものなので)。
 ということで、ここは泣く泣く交渉を打ち切り。窓口氏に従うこととしたが、私としては、東武和泉の制覇は完遂され、それとは別個の問題として運賃計算処理で不可解な取り扱いをされた、と解釈することとしたい。


Section 17-8
先に上毛へ

太田 10:23→赤城 10:56
東武桐生線 415(クハ5655)

 既にもういくつものミソがついている今日の攻略だが、ここは気を取り直して先に進む。
 この区間は4年前に乗ったことがあるのであまり新味はないが、雪をかぶった赤城山は見事だった。薮塚でリアル厨房女4人が、忘れ物をしたとかで発車しようとした列車を2分も止めやがったが、その後の新桐生での交換待ち合わせで吸収されることはわかっているので動じないのであった(笑)。


Section 17-9
上毛電鉄初乗車で今日の2駅めへ

赤城 10:58→上泉 11:31
上毛電鉄 普通 26(721)

 赤城では踏切を渡っての乗り換えである。既に上毛電鉄の電車はホームで待っていて、踏切を急ぐが、明らかに2分差の接続は取ってくれるようで安心である。
 ということで、結局赤城では精算できず。ワンマンの、この電車ですべての精算をしなければならない。業平橋からの乗り越しプラス上毛線内の運賃精算などというのは、まるで泉沢のときの江差線ワンマンカーでの出来事が脳裏をかすめる。ということで、車内にあった運賃表から上毛線内の運賃を550円と確認した。実はさきほどの車中でネットに急遽アクセスし業平橋→赤城の運賃を1160円と知ってあったので、降車時に精算する額は計770円であればいい。
 ということで、早速1000円札の両替のため、運転席後ろの精算機に近づくと、発車間際の準備をしていた運転手さん曰く

お客さん、運賃は後で払ってください。

 ぅゎ〜ん、ヨソモノ扱いされちったよー^^;; (ヨソモノだけど)
 すかさず「はい、先に両替しておきたいんです♪」と笑ってごまかす私であった。^^;;

 上毛の電車はおそらく井の頭線のお古と思われる。車内は暖房効き過ぎだが、寒い今日にはちょうどよい。
 ここもワンマンカー運転だけでなく、9月には両端駅と赤城、車両基地のある大胡を除いた全駅が無人化されたそうだ。
 実はこの区間、今日乗る中で唯一の「初乗り」区間。その意味では新鮮であるべきだったが、正直、最初から最後まで、右手に山々を頂きながら農村地帯を行くという単調な景色だったように思う^^;;。


Section 17-10
上泉駅

上泉 かみいずみ 上毛電気鉄道 上毛線 群馬県前橋市

 交換可能な無人駅。かつては側線もあり、また比較的最近まで有人駅だったようで、今でも旧駅舎は保線区詰所として現役で使われている。

駅正面一応、駅正面というべきか
ホーム全景現在の駅全景=ホーム全景
旧駅舎を眺めて左奥に旧駅舎が
保線区詰所現在は保線区詰所として現役で使われてます
駅前には自転車置場のみ駅前には自転車置場のみ
ホームからこんな眺めがホームからこんな眺めが すばらしい
旧駅舎の裏側旧駅舎の裏側 趣きありすぎ
駅標&2ショット駅標&2ショット 風が強すぎで相当妙です(u_u)

 しかし風が強い。実は一度、デジカメが三脚ごと倒れ、スマートメディアが認識されなくなった。ここまでの撮影分がすべてパーになってしまったかと、木枯らし吹きすさぶ無人のホームでかなり半べそ状態(^^;;)。結局無事復活したが、この種の光学機器は強い衝撃だけで全体が甘くなってしまうことも多い。まったく今日はついてない。ショボーン...


Section 17-11
残る小泉線へターンバック

上泉 11:52→赤城 12:23
上毛電鉄 普通 27(712)

 さて、残る区間は全線区、乗車経験があるところばかりである。しかも景色もほとんど脳裏に残っていたりして、あまり堪能することもない。だったらさっさと入力に励め、ということになるが、しかし今朝の余分なチャットでバッテリにも限界が。本当は画像レタッチとかもしたいところだが、それをするとバッテリを食うので入力に留める。
 ただし、この駅は名前がアレなので、停車位置の関係上きちんとは撮れなかったが、実は行きも帰りも写真を撮っておいたのだった。

心臓血管センターこれが駅の正式名称です
心臓血管センターこれが駅の正式名称です

Section 17-11-1
大ミスとは気づかず待合室でAC電源

 さて、赤城では思案のしどころである。
 というのも、この時間帯にここから各駅停車を利用しようとすると、極端に接続が悪いのである。
 次に目指すのは小泉方面しかなく、そのためには太田から東小泉まで抜けるのがあらゆる場合において最短となるが、こちら桐生線も小泉線も1時間ヘッドで、かつ発車時刻がズレまくっている。
 そこで秘策を考えた。といっても、秘策でもなんでもなく、単に特急りょうもうを利用するというものである。こうすると、見事に小泉線が1時間早まり、その後の予定もおおむね1時間早まることになる。特急料金は500円。桐生線内はほとんど各駅に止まるので、ものすごく惜しいようにも思うが、1時間を500円で買えるならものすごくオトクである。
 が、しかし。
 赤城駅の窓口には、こんな非情な表示が。

りょうもう24号 本日分 満席

 いや、ホントについてないなぁ。。。
 そう思いつつ、4年前とはすっかり変わって新しくなった赤城駅のコンコースには、ドアで仕切られた、暖房の効いた待合室が。さらに、よーく見ると、

ベンチの下にACコンセントが。

 これなら、1時間の遅れも気にならない。その分、LOOXで作業すればよいのだから。しかもわずかながら充電もできる。
 というわけで迷わず待合室に引きこもりプレイ。さっそくレタッチなどはじめたりしていい気分。

 しかしこの選択、実はとんでもない間違いだったのだ!
 それがわかるのは太田駅でのことだった。


Section 17-12
やっと小泉方面へ

赤城 13:17→太田 13:48
東武桐生線 普通 442(モハ5555)

 というわけで延々と待ち、発車直前になってからあわただしく待合室から撤収し、各停太田行きに乗り込んだ。車内では太陽光線の向きがたびたび変わり、液晶が見づらくて苦労するも、少しずつ作業を進めながら太田着。


Section 17-12-1
一見不可解な太田駅の番線

 太田ではまずなによりも、食料の調達を行おうと考えた。先ほどの精算トラブルの際、その脇に売店があるのは確認してある。さっそく直行するが、どうもお目当てのものがない。おにぎりやパン類はもちろんなく、m&mとかスニッカーズとかもない。これなら、小泉界隈でコンビニ調達を考えたほうがよさそうだ、ということでしばらく我慢することにした。そしてこの選択はまたしても後に大きな罠となるのだった(苦笑)。
 売店をあきらめ、次は待合室を探したが、どうもおかしい。番線の配置がかなり妙なのだ。

0・1番線 まだ理解可能0・1番線 0番線が切り欠きホームでないのはめずらしいが、まだ理解は可能
2・4番線の向こうに3番線!?2・4番線の向こうに3番線!?
よく下の案内を見ると、まじでわけがわからないぞ!
3番線は高架でしたこれが3番線の正体 ここだけ一足先に高架になっていたのだった
(この画像のみ乗車直前に撮影)

 というわけで、あまりに妙な番線位置は、高架工事のための暫定的なものだということがわかった。
 …しかしこの高架化工事、確か4年前に来たときもやっていたような…。いつになったら終わるのでしょうか?


Section 17-12-2
りょうもうの車中を見て思う、これはもしや大失敗!?

 ホームを見物した後、いったんは2・4番線ホームの待合室でモバイルプレイ。やはり北関東らしく、日系人をはじめとする、南米ぽい人の姿もちらほら。
 そして何気に、先ほど乗ろうとして満席だった特急りょうもう24号の次列車、26号が0・1番線ホームに入っているのを見た。
 この26号も、私が今乗ってきた各停が赤城を出る時点で「満席」となっていた。だがしかし、どうみても車内には空席が多数。
 も、もしやこれは、太田や館林から乗車する客で満席マークがついていただけってこと?
 そして、ということは、

太田までなら特急乗れたんでは!?

 これは大ショックだ。よく考えたら、JRではこういう場合でも普通にみどりの窓口で粘ってみるものなのに、私鉄だとなぜかそういう発想にならない自分を悔やんで悔やんで悔やみまくった。あぁぁぁ…


Section 17-13
やっと3駅めへ ただし(仮)

太田 14:20→東小泉 14:28
東武小泉線 普通 935(モハ5553)

 1時間をムダにしたのでは、というショックを振り切るように待合室を出、3番ホームへと駆け上った。
 既にホームには2連の電車が入線済み。お客さんもまばらだが、なにやらものすごく脳内が素朴そうな(多分に差別的言い回しかこりゃ)会話をだらだらと大声でしているリアル厨房男組が複数いるのが目立つ。
 高架駅を出発した電車は、伊勢崎線と交わることなく、かなり長い高架区間を下っていく。そして地上に降り切ったところからは、事実上の終着である東小泉まで、ほぼ全線の路盤が複線分確保されていた。
 そう、この小泉線は、元は貨物輸送のために大いににぎわっていたし、とりわけ戦争中はこのあたりは非常にシビアな状況下でも路線の整備が進められたところなのだった。
 かつては1700両もの自社貨車を保有し、貨物王国だった東武も貨物輸送からほぼ撤退し、完全なローカル線となった小泉線。いつまでも廃止されず残ることを期待したい。


Section 17-13-1
東小泉駅(仮)

 さて、東小泉で乗り換えの時間があったので、いったん改札を出て下車した。これで東小泉駅は攻略、と言いたいところだが、時間が短いので写真撮影は省略。よって、ルールに基づいた攻略とはみなされず、いわば仮の記録、参考扱いである。
 ここにはまた後で改めて正式に攻略に訪れることにし、再び改札を通って(といっても入鋏省略だけど) 西小泉を目指す。


Section 17-14
この道はいつかきた道

東小泉 14:33→西小泉 14:38
東武小泉線 普通 735(クハ5662)

 先にも触れたとおり、今回の道筋は、上毛電鉄を除きすべて過去に乗ったことがある線区ばかりである。そして、終着駅西小泉にはかつて降り立ったこともあった。大学に合格した記念として、84年の4月頭にこのあたりは全線完乗済なのだった。なおこのプロジェクトの対象57駅中、過去に乗降したことがあるのはこの駅といずみ野の2駅である。
 なんてことを思い出しながら、あっと言う間に西小泉着。


Section 17-15
西小泉駅

西小泉 にしこいずみ 東武鉄道 小泉線 群馬県邑楽郡大泉町

 小泉なのに大泉町なのは、小泉町と大川村が合併してできたからだそうだ。

ホームから行き止まり側を見るホームから行き止まり側を見る なにやら先がありそうですね(笑)
駅舎駅舎 ローカル度に似合わず重厚
駅前広場駅前広場もまた立派
行き止まりの先行き止まりの先は「いずみ緑道」という遊歩道
そう、これは東武の貨物専用線、仙石河岸線の廃線跡なのだ
同じポイントの反対側上と同じ場所から反対側を見る 当然ながら列車が
駅前には機関区跡も駅前には機関区跡も
改札内がこれだけ広い改札内がこれだけ広い
駅標&2ショット駅標&2ショット 相変わらず風強し

 この小泉線は、太田にある軍需工場と東京方面をショートカットするために戦争中も延長されようとし、実際に仙石河岸線と、熊谷から妻沼までの熊谷線が完成していたが、戦時中に利根川を渡ることができず、熊谷線は非電化ローカル区間として残った後廃止になったのだった。小泉線各駅の広い構内は、そんな時代を感じさせる歴史的なものなのである。(このあたりの話は、明田車庫さんのページに詳しく紹介されています


Section 17-16
いかにも全駅乗降のような行動を

西小泉 14:50→小泉町 14:52
東武小泉線 普通 746(モハ5561)

 撮影を済ませた後はふたたび入場し、1駅だけ戻る。いかにも路線の全駅を乗降して回るかのような行動だが、攻略駅が短距離で3つも連続していれば自動的にそうなるというものである。
 なぜか、太田から乗ってきたリアル厨房連中が、この列車に乗っている。で、なぜか着メロであややの曲ばかりとっかえて鳴らしている(なお、あややのサイトのトップページがどっかのトップページと似ているのは気のせいである(笑))。ははぁ、さてはこいつら、東小泉よりも館林方に用事があって、どうせこの電車だからってそのままキセルして乗ってるな。(笑)


Section 17-17
小泉町駅

小泉町 こいずみまち 東武鉄道 小泉線 群馬県邑楽郡大泉町

 ここは無人駅である。下車してすぐに2ショットを撮ろうと、カメラを取り出したら、リアル厨房が窓から手を振ってくるでわないか。しょーがないので1枚撮影してやった。たら、改めてここにだけ来なければならないところであった。

電車から手を振るリアル厨房今乗ってきた電車 最後尾車両は西小泉に着いたときに乗っていたもの
窓から身を乗り出して手を振るリアル厨房
ホーム全景ホーム全景 片面だけのさびしい状態
駅舎全景いちおう駅舎全景 跨線橋ぽいのは駅とは関係ないただの歩道
手前左に安全第一の十字マークがあるのは貨物扱いの名残
駅前駅前はやはり広い 遠くにローソンがある(伏線)
駅標&2ショット駅標&2ショット ひたすら風が強い…

 朝から何も食べていない。よっぽと、ローソンで調達しようかと思ったが、まだガマンできる範囲なので、逆方向のローソンには向かわず、まっすぐ東小泉を目指した。どこかで調達しようというハラである。


Section 17-17-1
予定外の徒歩移動

 次の東小泉までは徒歩で移動する。ただしこれは本来の予定にはない。朝から順調に動いていれば、このあたりは20分ヘッドの運転をうまく使って、徒歩無しで済ませることができたのだ。しかし今は1時間ヘッド。1km程度は歩かねば。
 日陰のところは路面が凍結していて非常に危ないが、時間には余裕があるのでゆっくり安全に進む。
 10分弱でふたたび東小泉駅前に出た。


Section 17-18
東小泉駅

東小泉 ひがしこいずみ 東武鉄道 小泉線 群馬県邑楽郡大泉町

 ようやく、写真を撮って正式制覇である。
 やはり貨物駅の面影をよく残している。ここから専用側線も出ていた模様。

駅舎前景駅舎前景 やはり駅名看板が色褪せている…
駅前広場駅前広場 ここもやたらと立派
跨線橋のネット越しに西小泉・太田方を見る跨線橋のネット越しに西小泉・太田方を見る
非常に広い構内と、立派な旅客ホーム
跨線橋のネット越しに館林方を見る跨線橋のネット越しに館林方を見る
信号操作場とトイレの配置は、明らかに旧国鉄のそれっぽい
駅標&2ショット駅標&2ショット 相当の強風に加え光の加減が最低だった

 この東小泉は、「小泉線」だけが通っているようになっているが、ここまでからわかるとおり、小泉線は実質2路線あって、東小泉はその分岐駅ということになる。ルール5上はこの1回の館林方面への乗車のみで攻略、ということになるが、先ほど太田方から下車して西小泉へ乗車しているので、一応、全3方向について、ルール3をも達成したと言ってよいだろう。

 撮影の後、かなり寒い風が吹く中、待合室でじもてぃなおばあちゃんとしばしお話。「東京から来た人にはこの風は冷たいでしょ。2℃くらい寒く感じるよ」という意味のことを方言でお話ししてくれた。
 このおばあちゃんは、先にやってきた西小泉行きに乗っていった。


Section 17-19
ようやく帰途に

東小泉 15:46→館林 16:03
東武小泉線 普通 748(モハ5561)

 ようやく帰途につける。
 当初の予定では、私は14時半には北千住に戻っている予定だったのだが、この調子だと戻れるのは17時半。朝の電車は2時間強遅れたので、1時間が時間帯のズレによるムダとなったことになる。そして、ということは、特急でのミスがなければ、朝の遅れ以外の遅延はなかったことになるのである。
 まぁ、過ぎたことを嘆いてもしょうがない。人生100%前向きに生きなければならない、とI塾長も言っているでわないくゎ(笑)
 というわけで館林行きに乗車。ひたすら、さっきから同じ編成に乗っているだけだったりするが、ルール3よりこれは「別列車扱い」ということになる。4連の電車はロングシートが8割方埋まる状態だった。


Section 17-19-1
なんで最後までこんなメに…(涙)

 館林からは準急でまっしぐら。伊勢崎から来る、16時11分発の準急に乗ればよい。
 ところが、館林に着いたところ、駅構内の電光掲示板はすべて、この列車を表示していない。
 どうしたものかといったん改札口までやってきたが、すると、駅員のおばちゃんに別の乗客が「11分発は今日は来ないんですか?」と、私が聞きたかったことを変わりに聞いてくれていた。そして駅員さんの答えは「今日は運休が多かったですからねぇ」。これ、冷静に考えると答えになってないのだが(笑)、じゃぁ来ないのかな、表示どおり、次は26分始発の準急なのかな、と単純に信じた私は、もう空腹がガマンの限界だったので、ホーム上にある「館林ラーメン」という怪しげな立食ラーメン屋に入るのであった。ラーメンは出てくるのに時間がかかるけど、まだ20分以上あるので余裕もいいところだ、と思った。
 のれんをくぐるとパートのおばちゃんが「おねえさん、注文は?」。いや、そういわれても、1万円札なんですけどいいですか?「だから注文は何?先に作っとくから」 せっかちなラーメン屋だと思ったが、考えてみると電車に間に合うためにはこれは当然の芸風なのだった。
  そして一応カレーラーメンを注文、その後でもう1人のおばちゃんに両替してもらい、食券を購入して差し出そうとしたら「寒いからさ、奥の方がいいよ」。なんだよ、男性客にはそんなこと言ってないじゃん(笑)。
 で、16時10分頃に出てきたカレーラーメンをすすろうとすると…

あ、準急浅草行きだ…

 …もう、こんなのってアリ!?!?
 しかしここまで来るともう笑うしかない。あまりにおいしくない(爆)カレーラーメンの味も、「東京の景気はどうよ?そう、東京だけは景気いいのかと思ってたけどねぇ…」とかなんとか話しかけてくるおばちゃんの愛想も、すべてがネタに思えてきた(笑)。
 もうどうでもいいや。(笑)
 スープ全部すすってから、ホームに出た。


Section 17-20
開き直って東京へ

館林 16:26→北千住 17:40
東武伊勢崎線 準急B 2550(モハ13663)

 というわけで、もう何があってもいいぞ!と開き直ったら怖いものはない。
 始発に乗り、車端を確保してうつらうつらしたりこれ書いたり。そうなると逆に何も起こらず、無事北千住に到着した。


Section 17-21
結局会社に向かう椰子

北千住 17:46→表参道 18:15
営団千代田線 1759(営団 6732)

 北千住ではいったん改札を出て、改めてパスネットで入場し千代田線に乗る。なぜ千代田線かというと、要するにこれから出向先に行くのである(笑)。また仕事かよ、というかなんで終わらないんだ仕事…(涙)

 最後に来てドタバタしたけれど、泣いても笑ってもあと2駅。予定では、13日に出撃します。


今日の出費

摘 要 支出金額
東武 業平橋→東武和泉 940
FIREストーンウォッシュ 250ml 120
東武 謎の精算運賃 220
上毛電鉄 赤城→上泉 550
上毛電鉄 上泉→赤城 550
東武 赤城→東小泉 400
東武 東小泉→西小泉 140
東武 西小泉→小泉町 140
東武 東小泉→北千住 860
館林駅ラーメン カレーラーメン 450
営団地下鉄 北千住→表参道 230
今日の小計 4600
今日までの累計 203987

 ここでいう支出では、前売りの乗車券類の購入など、 本旅行中で後日行使するきっぷの購入は計上しません。そのかわり、 前もって買っておいたきっぷの行使は計上します。また、青春18きっぷ等の「複数人日分乗り放題となるきっぷ」については、1人日分の値段を計上します。割り切れない場合は、1円未満の端数分を初回行使分に上乗せします。



Written by Yonezawa Izumi <izumi@nurs.or.jp>
Last Update: 2003/01/19
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