よねざわいずみ 全駅制覇 Report Vol. 15
九州縦断・西日本制覇
− 12月30日(月) 美夜古泉・中泉・出水・西和泉・薩摩今和泉−

今日の行程


発 駅 時刻 列 車 時刻 着 駅 制 覇
175 小 倉 5:40 普通 2521M 6:08 行 橋  
176 行 橋 6:15 普通 2403D 6:18 美夜古泉 美夜古泉
177 美夜古泉 7:08 普通 2405D〜2210D 8:15 中 泉 中 泉
178 中 泉 8:26 普通 2212D 8:35 直 方  
179 直 方 8:43 普通 1621H 9:55 博 多  
180 博 多 10:05 特急〔つばめ7号〕 7M 12:34 出 水 出 水
181 西出水 13:05 普通 455M 14:49 西鹿児島 西出水
182 西鹿児島 15:03 普通 1347D 16:01 薩摩今和泉 薩摩今和泉
183 薩摩今和泉 17:00 普通 1349D 17:16 山 川  
184 山 川 17:18 普通 5325D 17:28 西大山  
185 西大山 18:36 普通 5327D 18:53 頴 娃  
186 頴 娃 19:03 普通 5324D 19:41 指 宿  
187 指 宿 19:44 普通 1362D 20:58 西鹿児島  
188 西鹿児島 21:10 普通 6986M 21:47 隼 人  
15日目 小計 5駅
今日までの累計 50駅

Section 15-0
九州初上陸・しかし寒すぎる

 最低な状態で迎えた船上の早朝だが、落ち込んでもいられない。4時に起きて、LOOXの無事を確認し回収、ついでに洗髪&ドライヤー。早めに起きたのは、洗髪をするためだったのである(^^;;)。
 それにしても、まだ到着1時間前だというのに、すでに女子洗面所にはぱらぱらと洗顔プレイをするみなさまが。さすがだ。
 4時半ころ、船内放送が始まり、到着が10分早まることが告知された。身支度を整え、そのままロビーに出て到着を待ち、それも待ちきれずに(^^;;)乗船口にまで出て、着岸作業を観察することができた。
 4時50分に下船し、早足で小倉駅へ。それにしても寒い。


Section 15-1
闇夜をひたすら走る

小倉 5:40→行橋 6:08
普通 2521M(クハ411-212)

 小倉駅で18きっぷにスタンプを押してもらい、いよいよJR九州を初体験である。
 しかし小倉駅には改札内に待合室らしきものがなく、ものすごく寒い中、ホームのベンチでひたすら待つ羽目になった。この時間、電車はすべて門司から一方的にやってくるので、逆戻りして早めにつかまえることもできず、ただただ待つしかないのである。
 待つこと40分弱、ようやくやってきた電車に乗り込んで本日の攻略開始。夜同然で、コンビニの明かりだけが目立つ中、20分走って行橋に。


Section 15-1-1
行橋駅の風景

 行橋駅で、平成筑豊鉄道に乗り換える。
 平成筑豊鉄道は、旧国鉄の運炭路線を第3セクター化して誕生した鉄道で、全便レールバス運行である。行橋駅でののりばは5番線らしい。容易に構造が想像つくが、この、どう考えても都市型鉄道の高架駅にそんな5番線がある、というのは実に妙ではある。

3・4番線島式ホームの大分方を見る3・4番線島式ホームの大分方を見る
なにやら予想通りの雰囲気が…
途中改札5番線に向かう途中には途中改札がある
これはJR側のきっぷを吸収する自動改札
5番線ホームここを抜けると、ありました、5番線

 そしてこれが、これから乗るレールバスである。もしかしてレールバスに乗るのもはじめてだったかな?(記憶に自信なし)


Section 15-2
乗客1名、すぐに0名

行橋 6:15→美夜古泉 6:18
平成筑豊鉄道田川線 普通 2403D(104)

 そして乗り込んでみたのだが…乗客は見事に、私1人である(笑)。
 そして私は次の駅で降りてしまうので、当然ながらこの列車はすぐに乗客ゼロになる。
 やけに状態のよい軌道を走るレールバスは、レールバスといいつつ、あまりバスエンジンぽくない、よい走りっぷりで隣駅にすぐ到着。


Section 15-3
美夜古泉駅

美夜古泉 みやこいずみ 平成筑豊鉄道 田川線 福岡県行橋市

 到着時刻が早すぎてまだ周囲は真っ暗。撮影ができる状態ではなく、次の列車の直前まで待つことにするが、この駅は3セク化後に開業した新しい駅で駅舎もなく、吹きっ晒しの待合ベンチがあるだけである。仕方なく、「列車の中では寝ることが多いだろう」という前提で、ここぞとばかりLOOXを駆使。すると、行橋行きに乗るためにやってきたおじさんが話しかけてきて「カシオのはキーボード小さいよね!」。「…いや、これ富士通です…」「あそうなんだ」などと妙な会話をしてしまった。なんちゅーおじさんやねん。
 しかし寒い。もう、暴力的に寒い。九州のくせに、寒い!
 そして、その寒さがどのくらいなものなのか、夜が明けてきてからはじめて気づいたのであった…

ホーム&待合スペースホーム&待合スペース というかただの屋根つきベンチ
駅全景駅全景
駅前駅前 田んぼと住宅地、という典型的な近郊地の光景
…なぜか田んぼが白っぽいですね!!
駅標&2ショット駅標&2ショット

 そして気づいたこと。田んぼがどうもよく撮れないな、と思って近づいて目を凝らすと…

霜だ。

 よくよく周囲を見渡してみると、軌道付近に生えている雑草にも、ことごとく、霜が下りているではないか。(笑)
 こりゃ、寒いわけだわ。


Section 15-4
あっと驚く複線重量レール

美夜古泉 7:08→中泉 8:15
平成筑豊鉄道田川線・伊田線 2405D〜2210D(105)

 今度は先客お1人。私を入れてここから2人だ。
 その後何人かの乗客があったが、しかし非常に疑問なのは、みなさん、なぜかロングシート部に座るのである。
 なぜだろう?しかしそれにしても寒すぎる!と、脳内に駆け巡る「?」と「!」を整理してみて、フト気づいた。

クロスシートには暖房設備がない!

 こここれでは、誰もクロス部には座らないよなぁ…
 しかし気づいた時にはもう遅く、ロング部はほぼ満員。仕方なくガクガクブルブルしながらクロス部で我慢しつつ、JR田川彦山線と線路を共用しながら田川伊田に到着。ここで乗客がほとんど入れ替わり、すかさずロング部に移動した。
 恥ずかしながら、私はあまり予備知識もなくこの鉄道に乗っている。そしてその結果、この直後に、寒さもふっとぶビッグサプライズに遭うのであった。
 田川伊田を出発した列車は、2線並んだ線路の左側を行く。ところが、次の駅、下伊田に着いたとき、なぜか反対側の線にも下伊田駅がある!
 ???

もももしや、これ、複線?!?!

 これはもう、すごいショッキングなことだ。
 赤字で3セク化されたような、レールバスしか走ってないような鉄道が、なんで複線なの!?
 そう、これは単に旧国鉄の運炭基幹路線で、長大な運炭列車をさばくために当然のごとく複線になっていたのをそのまま引き継いだだけなのであった。
 そして驚きはこれにとどまらなかった。糸田線が合流する金田は、単にもう1線の合流とかいうレベルではなく、現役の側線が多数生きている。そしてそこには、大量の貨車が留置されていたりする。そして金田から先は、線路の状態が驚くほどよい。完全に幹線規格である。
 後でわかったところによると、金田からは三井鉱山セメントの専用線が分岐していて、直方との間には17両編成の貨物列車が通っているとのこと。そりゃ、しっかりした線路じゃないとやっていけないわな。


Section 15-5
中泉駅

中泉 なかいずみ 平成筑豊鉄道 伊田線 福岡県直方市

 ここはかつては石炭積み出しの駅だった。

駅舎駅舎 旧駅務室は現在床屋として使われている
駅前風景駅前風景 古典的なそれですね
跨線橋から田川伊田方を見る跨線橋から田川伊田方を見る
跨線橋から直方方を見る跨線橋から直方方を見る 広大な構内はつわものどもの夢の跡
対向ホームから見た駅舎対向ホームから見た駅舎 床屋へはホームからも直接行ける
画像中央やや右よりのホームの部分に注目。昔はこちらのホームに渡るとき、この切り欠きを下りて線路を横断していたはず(cf.会津宮下
駅標&2ショット駅標&2ショット 背景は広大な側線跡
駅標は旧国鉄タイプだが、隣駅名は新たに書き換えられている(以前の隣駅は赤池と直方だった)

Section 15-6
冬期講習に通うリアル厨房のみなさま

中泉 8:26→直方 8:35
平成筑豊鉄道伊田線 22102(302)

 中泉での待ち時間はなんと驚異の11分。というのも、普段の平日だとこの時間は通学ラッシュだからだ。やってきた車はオールロングシート。おそらく冬期講習に通うであろう、中3生と思しき地元のリアル厨房がわいわいがやがややっていた。やはり微妙に冷たい視線を受ける私。ま、いつものことだぁね。(笑)


Section 15-7
JR九州最新鋭車両

直方 8:43→博多 9:50
普通 1621H(クモハ817-16)

 直方からは、つい昨年電化されたばかりの区間で、やってきたのもワンマンながら最新車両の817系である。

817系インテリア817系インテリア 木と本皮でできた転換クロスシートと円環状に並んだつり革が特徴 窓も広く眺望はバツグン

 この、木と本皮でできた座席、座り心地はよいのだが、「列車の座席」というイメージからあまりにかけ離れすぎてしまっており、どうも妙な感じ。
 直方からしばらくの間は山間を進むが、篠栗線区間に入るとどんどん近郊都市風になってきた。角松からけっこうな混雑となり、吉塚、博多へ。


Section 15-8
つばめグリーン車で優雅なひととき…じゃなくてこれってつばキャバ? 笑

博多 10:05→出水 12:34
特急〔つばめ7号〕 7M(クモロ787-10)

 博多からは今回の西日本ツアー最大の贅沢として、つばめのグリーン車に乗る。
 今日の攻略をすべて明るいうちに終わらせるためには、鹿児島本線上で特急ワープは避けられない。どうせ避けられないなら、最大限これを活用して、貪欲に攻略+αまでやってしまおう、というハラである。
 さらに、時期が時期だけに、博多でわずかな乗り換え時間をとっても、途中駅から乗車しても、いすれでも自由席で着席することはまず不可能である。そこで指定席となるのだが、JR九州はグリーン料金が戦略的に設定されていて、非常に利用しやすい。たとえば今回のこの区間、指定席に乗ると6270円だが、これをグリーン車にしても8220円である。このくらいは酒代に比べればたいしたことはなく、それで得られるものは非常に大きい。つばめ号のグリーン車は2×1列シートなので、早めに取れば、1列シートが確保できるのである。

 なお、実は博多→鳥栖の20分間を自由席で我慢し、その後グリーン車に移動した場合、グリーン料金が920円も減る。これは、鳥栖→出水がぎりぎり200km以内だからである(ちなみに特急料金は、同一列車の自由席とグリーン席を途中で換えて乗り続ける場合、全区間の自由席特急料金分を支払えばよい)。
 もしこうしておけば、指定席利用時と1030円しか違わないことになったが、これの発券方法を年末の忙しいときに駅員に伝える手間(おそらく、全区間の自由席特急券+鳥栖からのグリーン券(額面なし)の2枚を発行)と920円を天秤にかけた結果、博多から堪能することにしたのである。

 博多駅で博多まつりずしという駅弁を購入し、電車に乗り込む。つばめ号は787系特急車両で、グリーン車は先頭1号車である。
  乗客はおじいさんおばあさんのグループ、家族連れ、アベックなどで、あんまりガラはよくない(失礼)。さらに奥のトップキャビンと通常席で共通の敬老団体さんがいて、頻繁に行き来していてあまり落ち着くわけでもない。それでも、1列シートに、背もたれとヘッドレストが独立して動くリクライニングシートは非常に快適である。
 ほどなく、つばめレディがやってきて検札。東北新幹線などでもグリーン車では単純な飲み物・おしぼりサービスがあるが、こちらつばめレディは検札業務までやってしまうところがちょっと違う。ちゃんと1人1人 の乗客に話しかけながら検札をするつばめレディ。さらに、さっさと駅弁の包みを広げてぱくつく私(ちなみにおすしは非常によかったです)に「お飲み物をお持ちしましょうか?」と話しかけるつばめレディ。いったん断ったが、食後10分くらいしたら「食後のコーヒーはいかがですか?」と話しかけるつばめレディ。よいサービスぶりである。
 そしてサービスはこれにとどまらない。トップキャビンですでに酔っ払い状態のおじいさんおばあさんたち、つばめレディを捕まえて延々と話しかけ。つばめレディはにこやかにずっと応答。他愛ない雑談にも、話題を続けさせるような出血サービス。
 …はつ、これってもしや

がっつきでは。笑

 そしてこの状態は、

つばキャバでは。笑

 ということで、店員系がっつきがお好きな人には、九州旅行の際はぜひ、つばめグリーン車のご利用をお勧めしておこう。JR九州には九州グリーン豪遊券というのがあり、2万円ちょいで3日間がっつけます。笑

 …なんて話はともかく(笑)、列車は、有明海や八代海を横に見ながら進んでいく。あいにく天気は完全な曇天で、きれいな海を味わうことはできなかったけれど。
 八代で車内もずいぶん落ち着いたが、その一方、ここからは2004年開通予定の九州新幹線の高架がところどころで見え出す。八代から先は単線なのに、正直、この区間で開業して利用客は見込めるのかどうか、正直、はなはだ心もとない。
 出水の直前で、つばめレディに「もうすぐ出水ですよ♪」と声を掛けられる。私は身軽なのでそのままドアに向かったが、荷物が多い人の場合、つばめレディがポーターまでやってくれるとのうわさである。


Section 15-9
出水駅

出水 いずみ 九州旅客鉄道 鹿児島本線 鹿児島県出水市

 出水市の玄関駅であるが、実のところ、けっこうひなびた感じがする。

駅舎駅舎はいかにも「観光の玄関口」といった感じ
駅前駅前 高い建物はほとんどない
ホームから見る新幹線工事中反対側ホームには、市のシンボルである鶴の像 その向こうには建設中の九州新幹線駅
駅標&2ショット駅標&2ショット 天気よくないす

 2004年、九州新幹線が開業すると、鹿児島本線のこの区間は第3セクター・肥薩おれんじ鉄道となる。
 …ん??もしやこれって、

開業後攻略し直さねばならないケース?


Section 15-9-1
九州新幹線開業に伴うルール問題

 これはルール上、きわめて微妙な問題だ。というかそれを想定してなかった私がいかにボケてるかがまたもやバレてしまった。(苦笑)
 鹿児島本線は新幹線開業と同時に肥薩おれんじ鉄道に譲渡されるので、今回攻略した現在の駅はルール8に相当することになり、再攻略は義務でない。
  しかし一方で、ルール4からすると、現在の駅は「複数事業者が乗り入れる駅」のうちの「JR九州の駅のみを攻略している」状態ということになるので、肥薩おれんじ鉄道の駅となる現駅は改めて新規攻略をしなければならなくなる。
 また、開業時に誕生する、九州新幹線の出水駅はどういう扱いになるのか。JR九州の出水駅は書類上継続して存在することになると思われるので、これはルール5から再攻略が義務でないことになる。
 これらをトータルすると、現在のルールでは「現在の出水駅を再攻略しなければならず、新幹線の出水駅は攻略の義務がない」という、およそすんなりと受け容れられないことになってしまいそうである。
 まぁ、スッキリさせるために、結局2004年には改めて両方に攻略にやってくることになるのだけれど(笑)、これはルールの不備であるとも言えるので、ルール8を義務化するか、このようなケースを別ルールの追加で規定するか、いずれかで対処したい。
 ただしルール8を義務化してしまうと、2003年4月、大泉東駅を再攻略する義務が自動的に生じることにもなる。


Section 15-9-1
プロジェクト唯一の不可欠なタクシー利用

 出水からはタクシーである。このプロジェクトではこれまでも何回かタクシーを使っているが、いずれも、ツアーの本題とは関係ない部分で、急ぎやら酔っ払いやら^^;;のために利用していた。しかし今回のタクシーは必要不可欠なものであった。
 出水駅前には予想通り、観光地の表玄関よろしく、たくさんのタクシーがたむろしている。12時45分ほどに小型を捕まえて、道のりだと3km強離れた西出水駅へと向かった。800円で、54分に着。道はスカスカだったし、迂回もせず制限速度厳守走行をしている割には時間をとられた感じもした。運転手さん曰く「本当に駅前でいいの?」「はい。」「そう?」…そりゃいぶかしがるよなぁ。


Section 15-10
西出水駅

西出水 にしいずみ 九州旅客鉄道 鹿児島本線 鹿児島県出水市

 というわけでタクシーからアプローチした西出水駅。付近は住宅地+高校で、乗降客数は出水よりもこちらの方が多い。そのせいか、特急通過駅にしては珍しく有人駅である。

駅全景駅全景 あまりに特徴のないつくり
駅前駅前 謎の黄色い食堂「寅さん」は年末年始の休業中
跨線橋からホームを眺望跨線橋からホームを眺望
駅前の高校の謎駅前の高校の謎 手前に出ているようにこのグラウンドは出水工業高校のものだが、その向こうに見える校舎は出水中央高校のもの
駅標JR仕様駅標 ホーム幅が狭すぎて2ショットは無理だった
駅標&2ショット旧国鉄式駅標&2ショット
これはホームのない、駅本屋の改札横にあったもの

 撮影をしていると、もう30日だというのに、制服姿の女子高生が4人、改札を渡ってきた。ホーム上の駅標での撮影が不可能だとわかり、上の2ショット写真を撮るべく跨線橋を引き返したところでこの4人と遭遇。「なんだこの人?」という目で見られたのはいいが、その後、聞こえてしまうような声(大声じゃないが、周囲が静寂なのでモロ聞こえ)で「あの人、何やってるんだろうね??」だってさ。(笑)


Section 15-11
さらに南へ

西出水 13:05→西鹿児島 14:49
普通 455M(クモハ475-6)

 ここまで来れば攻略はあと1駅。今度は各駅停車で、鹿児島本線をさらに南下してゆく。
 西出水では前述の女子高生のほか、10人近くの若者ばかりが乗り込んで、全ボックスが埋まった感じ。
 再び海が現れたが、これは東シナ海で、波も荒い。
 各駅停車とは言え、単線区間でしかも追い抜かれる待避がないので、所要時間は特急と比べて1時間と違わず、しっかり進んでいく。
 新幹線開業後も経営分離されない、すなわち「まとまった乗客が見込める」川内ではやはりそれなりの乗車があり、鹿児島市街を中心とした生活圏に入った、と実感しつつ、さらに進んで西鹿児島には定刻どおり到着した。
 フト、コートに入れてあったPHSを見ると、JIMくんから着信があった。なんだろう?


Section 15-12
汗だくの最終攻略

西鹿児島 15:03→薩摩今和泉 16:01
普通 1347D(キハ47-6097)

 いよいよ今回の最終攻略、+αに向けて進撃する。
 指宿枕崎線は、まだまだ発達し続ける鹿児島市街の事情を反映して、途中の五位野までは驚異の20分ヘッドで列車が走っている。私の実家のある東京都葛飾区には昼間20分ヘッドの鉄道が2路線もあるが、このあたりの街並みも、ほぼ葛飾区と同じような雰囲気である。
  西鹿児島ですぐに乗り込んだが、2連の列車にはすでにほとんど空席はなく、ロング部になんとか腰掛ける。その後も乗客は間断なく増え、さらにつばめ9号から乗り継いだ帰省客も吸い込んでちょっとした混雑ぶりだ。
 定刻に出た列車は、まずは市電と平行して進む。乗降ともに多い。
 しかしそれ以上に気になるのは、この車内の暖房の暑さである。すでにコートは脱いでいるのだが、それでももう我慢ができないほど暑い。よく見たら、私の席は暖房のすぐ上だった…こりゃ暑いわけだ。まったくもって、暖房の上を求めてロング部に移動した今朝の行動と同じことを鹿児島でやって、見事に裏目に出ていることになる(苦笑)。
 区間運転の終点駅であり、近郊路線ぽさがなくなる平川までは住宅地がほぼ間断なく続いていた。そこから先は、海を眺めながらの観光路線という感じになった。
 しかし暑い。ところが、地元客と思われる人の中には、逆にこれでも寒がっている人がいる!事前の調査では、この時期の日中の気温は、博多あたりだと東京とあまり変わらないが、鹿児島は5度は高い。東京で言うとまだ晩秋くらいである。ところが今日の気温はたぶんふだんの東京並み。これでは短距離の乗客には寒いと思う人がいるのも仕方ないのかも。
 そして私はといえば、そろそろ汗が噴出してきて止まらない、ということにまでなってしまった。
 仕方なく、私はとうとう、暖房の上から逃れるために立った。すると横に座っていたおじいさんの息子と思われるおじさんが着席。そしてひそひそ話。「お尻が痛いんじゃないの?」
 くそー、別に痔じゃないて暑いだけだってばー! というか、

あんたらこの暑さがわからんのかい。

 と、つい地元事情を忘れて叫びたくなってしまったのだった。


Section 15-13
薩摩今和泉駅

薩摩今和泉 さつまいまいずみ 九州旅客鉄道 指宿枕崎線 鹿児島県指宿市

 なんて感じでいよいよ到着した今回の最終攻略駅。昼間は駅員が常駐していて、私が18きっぷを軽く見せると、強引に奪うようなそぶりをみせた。思わずおそれおののいて手を引っ込めてしまったら、「ちゃんと見せてよ!」と怒られた。ショボーン
 駅員さん、かなり食い入るように18きっぷを眺めてから返してくれた。
 も、もしや…

この駅員さん、18きっぷを見るの、はじめてでわ。

駅舎全景駅舎全景 小洒落た感じ
駅前駅前 鹿児島市内とはまったく違った、ひなびた感じ
跨線橋から西鹿児島方を見る跨線橋から西鹿児島方を見る ホームが狭い
駅標駅標 ホームが狭すぎて2ショットは不可能
駅舎前で2ショット代わりに駅舎前で2ショット

 この後、駅前画像で右手に写っている酒屋でいろいろ購入し、待合室に戻って飲みながら駅員さんと軽くお話。「どこ行くの?」「これから山川行き乗るんです」「あぁ、山川泊まるの?」「いや、西大山行くんです」「ふーん、西大山ねぇ」
 うーむ、これはどういう意味合いの会話だったのか若干ひっかかる(笑)。
 そしてここで前述のJIMくんに電話を入れる。「もしもし、今博多っす」ぉぃぉぃ、何やってるんだよ。「いやー急にボンブラ観たくなって、飛行機取れちゃったんで来たんです」。まったく、なんで関東の人間同士が福岡と鹿児島間で電話してるんだか。


Section 15-14
オプショナルツアー開始

薩摩今和泉 17:00→山川 17:16
普通 1349D(キハ200-9)

 というわけで、攻略は終わったが、以前野辺山を訪問した際に予告してあった「ついでに『鉄道イチバーン!』を回る」というやつの2回目を遂行するため、さらに南を目指して行く。上記の駅員との会話でもわかるとおり、今回のイチバーン!は「日本の鉄道最南端の駅、西大山を制覇する」というものである。
 やってきたのはJR九州が誇る気動車、キハ200系。電車並みの加速性能に転換クロスシートで快適度も◎。わずか16分ではあるが堪能した。
 しかしここで気づいたが、地元の中高生たち、だれ1人としてコート類を着用していない。ほとんどはトレーナーにマフラーである。このあたりが鹿児島ならでは、ということだろうか。


Section 15-15
つかの間の最南端へつかの間の旅

山川 17:18→西大山 17:28
普通 5325D(キハ47-6046)

 山川は運転上大きな境界で、ここから先は完全なローカル線扱いであり列車の本数も激減、終点の枕崎を含めて全駅無人駅である。ただ、ここも駅員は昼間しかおらず、完全な有人駅は隣駅指宿で、実際の列車も、指宿で乗り継ぎとなるものもあり、ここまで一定の本数がある理由はよくわからない。そして乗り継ぐ列車は2分後の出発だが、ホームは別である。跨線橋でなく踏み切りになっているだけましであるが、乗り換え客はみんな早足で急ぐ。
 山川から先は、軌道の状態がちょっと落ちる感じだが、なのに列車はかまわず飛ばすので、かなり揺れる。いまいちすごしにくかったが、ともあれ10分で、目的の西大山に到着した。


Section 15-15-1
日本鉄道最南端 西大山駅

 いよいよ着いた、西大山。高校生の時に最北端=稚内と最東端=東根室には乗下車しているので、これで3端を制覇したことになる。
 西大山での下車は私と地元高校生1人。高校生は、駅に来ていた迎えの車でさっさと退却した。しかしなぜか、駅のベンチでは高校生のカップルが列車に乗りもせずにいちゃついていた。おかげでベンチに座れやしない。
 適当に荷物を置いてから、かなり薄暗くなりかけているところを撮影開始。なおこれは攻略ではないので駅標2ショットは撮りません。

ホーム&駅標ホーム&駅標
駅全景駅全景 ホームの手前には花壇も
自転車置場ものすごく古びた自転車置場
存在証明こんな碑が立ってます
解説プレート解説プレート(フラッシュ撮影なので背景真っ黒)

 そしてさらに、まさに野辺山でもリアルサミットを目指したのと同じく、ここでもリアル最南端を求めて移動した。もう薄暗いので、三脚立ててスローシャッタ撮影である。

西大山踏切駅から枕崎方へ150mほど先にある、西大山踏切
踏切から西鹿児島方踏切から西鹿児島方を見る 左=北側にカーブ
踏切から枕崎方踏切から枕崎方を見る 右=北側にカーブ

 そうこうしているうちにすっかり薄暗くなってきた。周囲には漬物工場があるだけであとはすべて農地。300m北寄りには国道が走っているが車の音は工場にさえぎられてあまり響かない。しかしいちゃつくカップル。
 そして18時ちょうど、見計らったようにこのカップルは突然、駅を後にした。
 思うに、他人に見られずに座っていちゃつける場所はここしかないのだろう。いや、邪魔して悪かった。(笑)

 なお、西大山駅の「イチバーン!」の地位は、来年夏に沖縄でモノレールが開業するまでの命である。ただし「JR最南端」の地位はそのままだ。そしてその時点で、上の「最南端」碑は書き換えられるのだろうか。やっぱり、誰も気づかず、予算もつかず書き換えられないのだろうか。(^^;;)


Section 15-16
さらにリアル最南端を通過

西大山 18:36→頴娃 18:53
普通 D(キハ47-1074)

 さて、目的を達し後は帰るだけに思えるが、先ほど訪れた「リアル最南端」を車中から通過していない。ちょうど鹿児島に戻る上り列車の前にもう1本下りがやってくるので、すっかり夜になってしまったが、これに乗って通過しておきたいところだ。
 というわけで下り列車に飛び乗って、あっさりと踏み切りを通過。
 念のため、交換駅の手前、頴娃(えい)で下車した。


Section 15-17
いよいよ帰途開始

頴娃 19:03→指宿 19:41
普通 5324D(キハ47-5077)

 ここからはいよいよ帰途で、東京に戻るだけである。
 頴娃では10分待ちで、お隣西頴娃で交換した上り列車がやってくる。ワンマンなので、西頴娃での飛び降り乗りはえらく迷惑だと考えた結果こうしたわけだ。
 列車の音が近づいてきたと同時に、猛スピードで自家用車が駅前に乗りつけてきた。誰かを見送るのかと思ったら逆で、列車からただ1人降りてきたギャルの出迎えだった。なんて正確なスケジュール管理(笑)。
 暗闇の中、今来たばっかり〜の線路を引き返し、今度は指宿で乗り換え。


Section 15-18
ふたたびキハ200で

指宿 19:44→西鹿児島 20:58
普通 1362D(キハ200-5007)

 指宿からはふたたびキハ200系で、今度は起点から終点まで転換クロスシートで過ごすことができた。車中は指宿からすでにそこそこの乗車率で、市街に近づくにつれて空きシートがなくなるほどとなっていた。
 なお後でわかったことだが、まさに私が乗ったこの車両は、1993年の竜ヶ水での土石流事故廃車となった車両の代替増備車だそうだ。この事故の記録を読めば、いかに、人減らしがこういう危機時のリスクを増やすのかがよくわかる。


Section 15-19
本日の最終ランナーはそれなりの混雑

西鹿児島 21:10→隼人 21:47
普通 6986M(クモハ475-29)

 西鹿児島でも息つく暇もなく、今日の宿へと向かうために日豊本線に乗る。
 鹿児島本線が川内まで頻繁に運転され、指宿枕崎線も途中まで頻繁に運転されているのと同じく、日豊本線も国分まではかなりの頻度で運転されている。そしてその頻度に見合った乗客で全ボックスに複数の着席があった。
 各駅で少しずつ下ろしつつ、国分の1駅手前、隼人で降りた。


Section 15-19-1
プロジェクト最後のホテル

 今日の宿はステーションホテル隼人というところ。
 入ったとき、正直、そうとうボロ宿だと思った(笑)。いきなり、フロントに出てきたおじいさんがいまいち話が通じなさそうですごく不安になった。でもまぁ税込4000円だからしょうがないや、と納得した。しかし部屋は非常に広く、トイレもウォシュレットつきで、これで4000円は安すぎる、とすぐ考えを改めた。ただしルームキーが室内の全電源のキーになっていて、かつエアコンが通常の家庭用電源を使っているため、部屋を出ると冷暖房まで切れてしまうし、あとノートパソコンの充電までも切れてしまうのであった。あわてて充電を中断してからコンビニに買出しに行かねばならなかった。まぁ、わかっていれば対処のしようもあるのだが。
 実は上のリンク先のWebサイトは後から知ったものだったりする。この館内施設の写真は詐欺まがいだと正直思う(笑)。というか、

LAN完備なんて聞いてねーよ。

 ここからもチマチマとAir H" 32kでつないでいたあたしゃ何なんだい。^^;;

 その通信スピードのせいというわけではないが(笑)、結局、これまでの記録を入力しようと思っていたが力尽き、23時半ころには寝てしまったようだ。


今日の出費

摘 要 支出金額
アミノサプリ 350ml 150
青春18きっぷ 2300
平成筑豊鉄道 1日フリーきっぷ 800
博多まつりずし 997
運賃 福岡市内→出水 3880
グリーン特急料金 博多→出水 1890
グリーン料金 博多→出水 2450
小型タクシー 出水駅前→西和泉駅前 800
生絞り500ml×2/柿ピー6P
/薩摩焼酎りえもん200ml
910
ステーションホテル隼人 3999
冬限定もやし味噌ラーメン 102
麦茶 100ml 102
どデカおむすび 180
今日の小計 18560
今日までの累計 180797

 ここでいう支出では、前売りの乗車券類の購入など、 本旅行中で後日行使するきっぷの購入は計上しません。そのかわり、 前もって買っておいたきっぷの行使は計上します。また、青春18きっぷ等の「複数人日分乗り放題となるきっぷ」については、1人日分の値段を計上します。割り切れない場合は、1円未満の端数分を初回行使分に上乗せします。



Written by Yonezawa Izumi <izumi@nurs.or.jp>
Last Update: 2003/01/03
鉄分補給にご協力ください。