米沢泉美 全駅制覇 Report Vol. 28
母娘(笑)2人北海道・青森ねぶたツアー
第3日 日本最東端を経て川湯温泉へ
− 7月30日(金) −

今日の行程


発 駅 時刻 列 車 時刻 着 駅 制 覇
242 根室駅前ターミナル 7:45 根室交通納沙布線 下り2便 8:20 納沙布岬  
243 納沙布岬 9:45 根室交通納沙布線 上り3便 10:20 根室駅前ターミナル  
244 根 室 11:05 快速 3630D 13:07 釧 路  
245 釧 路 13:50 普通 4736D 15:19 摩 周  
246 摩周湖第一展望台 16:00 阿寒バス阿寒・摩周国立公園線 16:45 川湯温泉(阿寒バス)  
247 川湯温泉(阿寒バス) 18:00 阿寒バス 18:12 JR川湯駅  
248 川湯温泉 18:25 普通 4739D 18:32 美留和 川湯温泉
美留和
249 美留和 18:57 普通 4742D 19:07 川湯温泉  
米沢泉美 全駅制覇 28日目 小計 2駅
米沢泉美 全駅制覇 今日までの累計 105駅

Section 28-0
さくさく起床していざ納沙布岬へ

 根室の朝は早く、そしてさすがに寒い。この日の最低気温は14.5℃だったようで、東京の5〜6月くらいにあたる。そして日の出は4時05分。6時過ぎに目を覚ましたのだが、もうお日さまは十分高い位置にあったりする。
 あぁ、根室だなぁ、ともろもろの条件に感じ入りつつ、シャワーを浴び、7時15分頃チェックアウト。すぐ近くの、根室交通根室駅前ターミナルへと向かった。
 私たちが乗るバスは7時45分発だが、その25分前にもかかわらず、シャッターが下りたままの窓口。室内の掲示を見渡すと、どうやら「根室−納沙布岬4枚回数券 3570円也」というのがあるらしく、ぜひともこれを買い求めて旅費倹約に励みたいところなのだが、窓口が開かねば何もできない。まぁ、開かずとも正規運賃でなら乗車はできるので、気分もラクである。
 まずはコインロッカーに大きな荷物をまとめて入れ、身軽になり、ガランとした待合室でぼけーっと待つ。と、なぜかそこにどこからともなく怪しげなおじいさんが現れ、母に絡みだした。絡んだといっても世間話を仕掛けたりしてくるくらいで、まぁこの母(笑)なら大丈夫だろう、と放置プレイしていたが果たして適当にあしらっていたようだ。しかしじもてぃとは断定し難いこのおじいさん、何者だったのか。
 30分過ぎ、待望の係員さん登場。ただこのおばさん、窓口担当には違いなさそうなのだが、他の雑用をせっせとこなしはじめ、窓口を開けようとする気配がまったく感じられない。やっぱり窓口が開くのは8時とかなのかもしれない、とは思いつつ、事務所を頻繁に出入りしてはいるものの猛烈に忙しそうではないおばちゃんに、ダメモトでお願いしてみた。「すみませーん、回数券、売っていただけませんでしょうか…」
 と、おばちゃん、「うーん、ちょっと待っててね、金庫のカギがここにないんで取ってくるから。」
 なるほど、それが「まだ窓口が開かない」理由だったのか…と思いつつ、ささっと取りに行ってしまった、イコール「我々が取りに行かせてしまった」m(__)mおばさんに大感謝しつつ、お言葉に甘え、回数券を購入することができた。もちろん口頭でもお礼を述べた。


Section 28-1
バスは最東端へ

根室駅前ターミナル 7:45→納沙布岬 8:20
根室交通納沙布線 下り2便

 定刻にやってきたバスには私たちを含めて乗客4人。ほぼガラガラの状態である。まぁ、こんな時間帯に路線バスで観光に向かう人は普通いないのだろう。札幌からの夜行特急を受けてやってくる、花咲線の快速は8時台の到着で、このバスには間に合わないわけで。

納沙布岬行のバスガラガラです。

 そして市街地内の明治町で早くも1人下車、ますます貸切色が濃厚になってきた。笑
 根室高校前を過ぎると市街終了。同時に霧が濃くなってきた。そんな中、時折自家用車に追い抜かれながらちんたら走るバス。…と思ったら、その状態で

すでに10km/hオーバ

 だったという、いかにも北海道らしき状態なのであった。(よいこはまねをしてはいけません)
 途中の、いかにも漁村な友知というところでおもむろにギャル1人ご乗車。さらに双沖港でおばあちゃんが1人乗車。
 このあたり、左手には湿地帯&牧草地がひろがり、右手は海、という景色。その湿地帯をかつては根室拓殖軌道が走っていた。私が生まれた時点で既に廃止されていたが、単端式ガソリンカー(まさにボンネットバス)が走っている写真はもう幼少時から何度も見ており、印象深い。(車両一般に興味がなくても、ゲテモノ一般には興味が強い私。笑)
 ほどなくその軌道の終点だった、それなりの小市街となっている歯舞で、じもてぃは全員下車。ついに本当に貸切になってしまった。笑
 市街になっているだけあり、バス停はこの前後でこまめに設定されているが、乗降はない。
 そのままバスは、「日本最東端の寿司屋」「日本最東端の中学校」等々を眺めつつ進む。市街を抜けると、加速してスピードが10km/hほどさらに上がったのだが、何のことはなく、

道路の制限速度も10km/h上がった

 らしい。
 この律儀な走りっぷり(笑)から、根室交通にとっての「安全運行」とは「制限速度+10km/h」、という暗黙の了解があるような気がしないでもない(笑)。
 さらにバスは、「日本最東端の郵便局」やら「日本最東端の学校」珸瑶瑁(ごようまい)小学校やらを左に見つつ進み、予定通りの時刻に(っていうのは明らかに何かおかしいのだが、大笑)納沙布岬に到着。


Section 28-1-1
納沙布岬(日本の現状最東端)

 ここからは徒歩で、納沙布岬に向かう。私はやはり20年前に訪れているが、そのときと同じく、霧に包まれていて北方諸島は見えなさそう、残念。母の方は今回がはじめてで、「ユーラシアの最西端に行きたい」というだけの理由でポルトガル旅行に出かけた人間らしく、けっこうタカマっていた模様。笑
 まずは実際の岬に行く前に、「日本最東端の食堂」で名物さんま丼を食さねばならない。といってもまさにその通り道の脇に、鈴木食堂はあるわけだが。

「さんま丼はここで生まれここだけの味」朝から営業している「日本最東端」鈴木食堂
名物サンマ丼&鉄砲汁…はもうからっぽです^^;;名物さんま丼&鉄砲汁
食べる前にうっかり撮り損ね、気付いたのは全部平らげた後
サンマも花咲ガニも付け合わせのフキも激ウマー(^_^)b

 この時期のさんま丼は、ルイベではなく生を使っているようで、そのまろやかな味わいがとても美味。また私は甲殻類アレルギーのため、エビ・カニ類はご法度(粘膜が腫れる)なのだが今回は特別に(笑)チャレンジ。花咲ガニタップリのすばらしい味噌汁を堪能できた。
 写真の撮り忘れに気づきあわてつつも、満足を超える満足感。
 さらに、お茶をすすりながらご主人とお話しすることができた。「昆布漁でロシアにお金を取られるのはなぁ」と嘆きつつ、高い入館料を取ることで悪評高い「北方領土返還」のプロパガンダ施設については「あんなとこ行くくらいならこの昆布を買ってよ(笑)」と茶目っ気たっぷり。こういう、生活者の視線からの素朴な意見には説得力がある。

 そしてお礼を述べつつ店を出、いよいよ日本最東端へと回り込んでみる。

灯台灯台
難破船灯台の先まで出てみる
座礁した難破船が置き去りに
昆布干しもちろん、ここでも人々は確実に暮らしてます
落石駅付近を行く一応、こちらが正規の納沙布岬?
「返せ北方領土」とありますが、「アイヌに返せ」ということなら意味はわかる :-p

 ご覧の通り、やはり霧で遠方は見えなかったものの、最果て感アリアリなこういう景色にたたずみ、この間引きずってきたさまざまな問題について、かなり心の洗濯ができつつあるな、と率直に思った。

 ここまでで「日本最東端」と何度か表記しているが、これは「現在の日本国家の実効支配が及んでいる地域の中での最東端」という意味合いである。念のため。

 そうこうしているうちに楽しい1時間余は過ぎ、後ろ髪ひかれながらも帰りの準備。2人して、駐車場脇にある「日本最東端のトイレ」に入って用を足しておいた。笑


Section 28-2
あぁおいしかった

根室駅前ターミナル 9:45→納沙布岬 10:20
根室交通納沙布線 上り3便

 帰りのバスはやはり貸切状態。だが、さすがにこの時間帯の上り便、歯舞あたりからお客さんは増えていくだろう。
 気になるアレルギー反応だが、今のところ口の周囲がややかゆい程度で済んでいる。もう少しひどくなることを覚悟していたのだが、やはり心身ともに力がよみがえりだしているのかもしれない。(^o^)
 といいつつも少しうとうとしてしまったのだが(笑)、歯舞の手前からお客さんがぽつりぽつりと増え出し、最終的には10人以上が根室を目指した。


Section 28-2-1
根室駅で追加発券

 コインロッカーから荷物を回収し、JRの駅に向かうと、JR北海道ではおなじみ、「改札口前の荷物行列」が既にできていた。もちろん私たちも参加。
 北海道は冬季、ホームで凍死されると困るため、列車別改札を厳格に行っている駅が多い。そのため、ホーム上で自由席を待つ行列をつくることができず、その列車の改札に備えた行列が改札口の前にできるのである。
 とりあえず座れそうな順番で安心しつつ、今回の行程中唯一指定券を発行していなかった、8月3日のライラック&スーパーホワイトローの指定席をみどりの窓口で発券。根室駅の職員さん、このきっぷを見たのははじめてのようで、しばらくじっと見つめていた(笑)がその後の作業は迅速に、問題なく席を確保することができた。
 またまた緑茶うららを購入し、なぜかもう1度トイレに行ったりして時間をつぶすが、発車15分前、10時50分に改札ははじまった。


Section 28-3
落石峠見られず、でも厚岸湖に感動

根室 11:05→釧路 13:07
快速〔はなさき号〕 3630D(キハ54 514)

 無事、海側の席を確保。晴れてきた根室市街を出、進んでいくが…またまたたちまちすごい霧が。大笑

落石駅付近を行く初田牛付近。すごい霧
落石岬の絶景は前日に続き霧にはばまれ見ることができませんでした。グスン。

 というわけで落石岬は往復ともに見られず仕舞いだったのだが、厚岸付近では霧も晴れ(お約束)、圧巻の厚岸湖を画像におさめることができた。

厚岸湖別寒辺牛湿原と厚岸湖の境界あたり
厚岸湖冬季、鳥たちが雪の中に埋もれて暖をとる(!)のはこのあたり
厚岸湖なんだか「日本離れした」光景
といってももともとここは近代まで日本じゃなかったわけですが。

 この光景を見て「カナダみたいだね」とは母の言。なるほど、例えるなら確かにそうかもしれない。


Section 28-3-1
鬼峠さんにご挨拶m(__)m

 釧路では乗換時間に若干の余裕があるが、ここでまずは一大イベント、「北海道観光大全」作者の鬼峠さんにご挨拶である。
 釧路にお住まい(この当時)の鬼峠さんに、私は昨年春、釧路市街、そして夜の釧路湿原を案内していただき、大感激した。そして今回もまた、スーパーおおぞら3号にて出先から釧路に戻られるタイミングで、掲示板上にてご挨拶をお願いしたところご快諾いただいた。ぶっとい筋がまっすぐに通りかつ緻密なサイトを、信念を持って制作・運営しておられる鬼峠さんは、私にとって心底尊敬できるWebAuthorの1人なのである。
 さすがは律儀な鬼峠さん、こちらが到着したホーム上で待っておられた。恐縮しつつ、しかしそれ以上にまたお会いできた喜びで、年甲斐も無くはしゃぎつつご挨拶、母を紹介させていただいた。鬼峠さん曰く「かなりの強行スケジュールで大変でしょう?」。実はこのひとことが、この後しばしば、母からの

ほら、この行程は
鬼峠さんも強行だと言ってたじゃないか!

攻撃の根拠とされてしまったのだが(笑)、でももちろん、このムチャな行程、

もうすぐ70歳になる人間のものではない

ことも確かではある。(^^;;)

 鬼峠さんといっしょにいったん改札を出、そこでお分かれ。
 その後私たちは釧路での目論見として、世間で「釧路駅と言えば」と称される、2つの「駅弁」と、さらに私個人はアルコールを購入。これらは次の車内で食すこととし、座席確保のため早々に改札を通ってホームへ。
 しかし釧路も本来は列車別改札なので、

ホームは立って待つところ

であり、ベンチの類は極端に少なく、4人分は既に満席だった。
 仕方なく立って待つ私と母。実はこのとき、最初の「鬼峠さんも…」攻撃が発せられたのだった。^^;;


Section 28-4
車内で駅弁を食べながら車窓を眺めるなんてまるで観光旅行みたいだ、笑

釧路 13:50→摩周 15:19
普通 4736D(キハ54 515)

 やってきた釧網本線はキハ54単行だが、先ほどの転換クロスシートではなく、集団お見合い固定リクライニングシート。もちろん先客はベンチの4名だけで、私たちは特等席たる、網走に向かって左側(=釧路湿原寄り)のテーブル席順方向を無事確保。これで先ほど購入した「駅弁」を、ゆったりと食べられるというものである。

お見合いシートテーブルつきお見合いシート これはラクチンだ

 そして「駅弁」をテーブルにて広げる。購入したのは、「いわしのほっかぶり」と「春採そばずし」である。

名物サンマ丼&鉄砲汁…はもうからっぽです^^;;釧路名物「駅弁」2点 どちらもウマー(^_^)b

 どちらも大変おいしくいただけた。特にそばずしがかなり絶品、何の変哲もないつくりだがふわふわ感がすばらしかった。母も大変喜んでいた。

 ここでは両者を「駅弁」と、「」つきで表記したが、これには「駅弁の定義」という問題が絡んでくる。「いわしのほっかぶり」は製造業者が「日本鉄道構内営業中央会」に加盟しておらず、「春採そばずし」は「ご飯が入っていない」ことで、伝統的かつ狭義の日本の駅弁の定義にはあてはまらないのである。
 このあたりの事情は、まっこうくじらさん主宰のサイト「駅弁資料館」詳しい

 さて、ちょうど食べ終わったころ、列車は釧路湿原へと差し掛かった。しかし母は「強行な行程」の疲れのせいか(^^;;)おやすみ。起こすとまた怒られそうなので(^^;;)、自分だけで昼の釧路湿原を概観した。細岡のカヌー船着場など、まさに1年半前に観た景色を昼に見ることとなり、そのときの記憶がよみがえり、それが今観ている光景とともにふたたび記憶されていく。よくこんなところに線路をひいたものだ、と人間の営為に改めて驚く。そんな1つ1つが、ここまでの光景も含め、私の心をどんどん癒してくれている気がした。
 あぁ、これなら大丈夫かもしれない。(^o^)

 五十石で釧路湿原にわかれを告げ、続いて牧草地帯を走り抜けていく。もうこのあたりはすっかり京ぽん圏外だが、まもなくリモートで重大な任務を遂行しなければならない。ということで、会社から支給されているmova機を取り出し、後部デッキまで移動してから電話。「すみません、次の列車で摩周駅に着くので、タクシーの配車をお願いします」


Section 28-4-1
タクシーで一路、摩周湖へ

 摩周湖観光は母娘(笑)2人ともに「悲願」でもあり、今回の旅行の1つのヤマバなのだが、その割にはけっこう微妙な行程を組んでしまっている。ここまで乗ってきた列車は摩周駅15時19分着だが、阿寒バスのWebサイトによれば、摩周湖を観光しながら進み、本日の宿泊地・川湯温泉に向かう、すばらしい観光路線バスの摩周駅発車時刻は15時15分。もうほとんど嫌がらせのようなダイヤなのだが、逆に言えば、摩周駅からこれをタクシーで追いかけ、状況によっては追い抜き(笑)、摩周湖にて観光した後、そのバスに新規乗車する、という技が利く。周到にタクシーを予約したのはそういう事情によったのである。
 20年前、旧い木造駅舎だった(と思う)弟子屈駅だが、「摩周」と改名され小奇麗になり駅前も整備されてしまっていた。その様をちらと一瞥したが、なんか阿寒バスが停まっているようだ(笑)。が、それは別の路線のだろう、ということで、目もくれず、正面でいかにも「待ってました」という感じの運転手さんとコンタクト。無事乗り込んだ。
 この方、明るいおばちゃんで、いろいろ話し掛けてくれる。「今日はたぶん晴れてますよ〜」との情報に母娘(笑)2人とも大喜び。期待に胸膨らませつつ、ぐーんと高度を上げながら、摩周第一展望台に到着である。


Section 28-4-2
20年来の悲願、ついに摩周湖を見る

 20年前、学生時代に弟子屈駅でレンタサイクル借りたものの、坂道にあっけなく挫折(笑)、たどりつけなかった摩周湖にようやくたどりつけた。

摩周湖 霧も薄く、ディープブルーの神秘的な湖面がよく見えた!
カムイシュ島伝説の島、カムイシュ島
なお、摩周湖については→こちらのサイトが詳しい

 母も、ここまではっきりと摩周湖を見ることができて、かなり感激していたようだ。これでとりあえず点数稼げたかな。笑
 じっくり摩周湖を見て、母の記念写真を撮り、解説板なども読んだりして満喫してからおみやげ屋を冷やかしてみると、こんなものが売られていたので反射的に購入。笑 そして母もほしがったのでさらに追加購入。笑

摩周ブルー摩周ブルー
青いソフトでミント風味

 これ、色以外に何も摩周湖とは関係がない代物ではあるが(笑)、お味も面白い感じで、観光地名物としてはなかなか秀逸に思った。


Section 28-5
運転手さんのヒトコトにあ然^^;;

摩周第一展望台 16:00→川湯温泉 16:45
阿寒バス 阿寒・摩周国立公園線

 駐車場に出ると、右前方に阿寒バスが停まっていた。
 おお、予定通りだ♪ と乗り込もうとするのだが…
 運転手さん、私たちに

 いらっしゃい。駅でタクシーに乗るの見てましたよ。

 ええええーーーーーーーーっ!?!?!?! 笑
 …ってことは、摩周駅に停まってたのは、まさにこのバスだったのか…

 運転手さんによれば、時刻表では摩周駅を先に出ることになっているが、実際には列車からの乗り換え客を待ち受けるため、出発を遅らせているのだそうだ。

…そういう話はWeb上に告知してくれよ。

 と阿寒バスには24時間くらい説教したい心境である。笑

 既に乗っていた乗客5人に私たちを加え、7人プラス運転手さんでバスは第三展望台へ。ここで見学の時間が取られるかと思ったらそれはまったくなくあっけなく素通りし(^^;;)、あとは坂道をころがるように下りていく。途中、路上にキツネがいて、母はそれを見てかなり喜んでいた。あぁ、今は機嫌いいな。笑
 坂を下り切ってしばらく行くと、釧網本線の踏切をわたって川湯温泉駅の近くを通り、そのまま硫黄山ことアトサヌプリでバスはまたまた観光休憩となった。

アトサヌプリアトサヌプリ まさに一般名詞の「地獄」 硫化水素臭が漂う
10分ほどではさすがに近くまで行くわけにはいかず、冷やかし程度

 母がトイレに行っている間、やっぱりたまごが食べたくなり、温泉卵を求めたところなんと5個も入っていてビクーリ。1個は母に分けましたが4個はその場で食べてしまった。大笑
 バスに戻ってあとはゴールまで1kmちょっと。きちんと定刻に、川湯営業所の前に到着。しかし乗客のうち、ちょっと挙動の怪しい老夫婦はやっぱり怪しく下車しようとしない。運転手さんが身振り手振りで説明、なるほど、どうやらチャイニーズな模様。日本語読めないわからない、じゃそうなるのもムリはなかろう。


Section 28-5-1
安宿にチェックイン

 ここはそれなりに涼しいと勝手に思い込んで来たのだが、なんか異様に暑い。
 例によって得意技「道に迷う」を若干出してしまい、やっぱり母に怒られながら(笑)じもてぃに道を尋ね、本日のお宿、国民宿舎ホテル川湯パークになんとか到着しチェックイン。
 ここは民営の国民宿舎で、もちろんエアコンなどなく、暑がりな2人はさっそく2階の部屋の扇風機にあたって涼を取る。
 …というか、もちろんバス・トイレは共同である。すなわち、

男女別浴の温泉に入らなければならない

 のである。笑

 実はこれ、まだ私が温泉に「覚醒する」前の話で、川湯温泉のお宿を全部並べて最も安くかつネット予約可能だったこちらを選択した、というものである。
 もしきちんと調べていれば、多少宿代は高くとも、ここ川湯には混浴を持つホテルがいくつかあることに気づき、必ずそちらを選択していたことだろう。(^^;;)
 ただ、部屋も小奇麗だし、お値段の割にはオトク感はあるお宿であったことはここに記しておきたい。

 さて、もう時刻は17時をまわり、本来「そろそろ夕食の時間」ということになる。
 が、私は予約時に敢えて「夕食は19時過ぎでお願いします」とした。実はこれから、母をここに置いてけぼりにし(笑)、単独行動で駅を2つも制覇しに行こう、という貪欲な計画なのである。


Section 28-6
では1人で駅攻略へ

川湯温泉 18:00→JR川湯駅 18:12
阿寒バス JR川湯駅行

 まずはバスで川湯温泉駅に出る。15分前に、先ほど下車した川湯営業所に出向いてみるが、待合室は完全に無人。こりゃ貸切かなぁ、と思いつつ待っていると、先ほどとは違うバスに、先ほどの運転手さんが乗り込んだ。
 果たしてそれが川湯温泉行きバス。先ほどとは異なり、ロングシートで冷房もない(笑)。
 定刻に、もちろん私だけを乗せて営業所を出発。しかしこれがもう、温泉街の細い路地を回って曲がってクネクネ進んでいく。地図と時刻表を見て「なんで高々4kmの距離なのに10分もかかるんだろう?」とギモンに思っていたが、ここまで曲がってたらそうなるよなぁ。そして予想どおり、途中乗降が全くなく、ぐるぐる回った意味は皆無となる。にもかかわらず、ゆっくり走って2分遅延、という「あまりに北海道らしからぬ」状態だった。うーむ。笑


Section 28-7
川湯温泉駅

川湯温泉 北海道旅客鉄道 釧網本線 北海道釧路支庁川上郡弟子屈町

 というわけで、行程3日めにしてようやく、1駅めの攻略である。
 元は川湯駅。お約束の「改名で「温泉」が付加されたために対象駅となった」パターンである。

 バスが若干遅れたため、すみやかに駅舎から撮影開始。

駅舎全景駅舎全景
今乗ってきたバスに隠れている旧駅務室は超有名な喫茶店、オーチャードグラスになってます
駅前正面く駅前通り
ここにも温泉が出ている(単純泉)が、基本的に鄙びてます
駅の脇駅のすぐ横に、明らかにかつて国鉄職員の住宅だったと思われる家屋アリ
今でも現役で使われている模様
待合室風格ある待合室
右上にかかっている額縁は、川湯出身の横綱、大鵬のもの。いわゆる「巨人・大鵬・卵焼き」の大鵬です
駅併設足湯ここには足湯があります
1番線ホーム実に重厚なホーム
折り返し列車もあり、2面2線のホームはきちんと使われてます
2番ホームから見た駅舎本当に威風堂々とした駅舎
左端からは改札口を通らずに足湯に行けます
駅標&2ショット駅標&2ショット

 駅は閑散としており、誰も乗客はいないかな、と勝手に思っていたが、コドモと高校生とおばあちゃんが3人でこちらのホームにやってきた。どうやらコドモを2人で見送るらしい。他の乗客がいるのは、駅が「生きている」証でもあり、それだけでなんだかホッとするものである。

 なお、翌朝改めて川湯温泉駅から列車に乗る前、補足的に駅の観察をしている。そのレポートは→こちら


Section 28-8
運賃支払って1駅移動

川湯温泉 18:25→美留和 18:32
普通 4739D(キハ54 522)

 車内に乗り込み、まずは整理券をしっかと取得。
 北海道ペアきっぷはあくまでも「きっぷに記名された2人が同一行程で移動する」場合に有効のきっぷのため、単独行動のこの乗車に関しては無効となる。そのため運賃を支払わねばならないが、川湯温泉は無人駅で、きっぷが買えない。よってこうして整理券を取り下車時に現金払いをしなくてはならないわけだ。
 やってきたキハ54はやはりお見合い固定で、ガラガラに近いがよさげな席はやはり埋まっている。
 どのみち一駅の乗車なので、ならばガシシキ、ということでデッキに出、運転席にがぶりつく。
 といっても、両側が林になっている沿線はあまり眺望も効かず、しかもどんどん暗くなっていくためあまり面白みのないまま7分走って美留和に到着。整理券と、運賃220円を運賃箱に投入して下車。


Section 28-9
美留和駅

美留和 北海道旅客鉄道 釧網本線 北海道釧路支庁川上郡弟子屈町

 あっけなく本日の2駅め。ここで下車したのはやはり私1人だった。

駅全景駅全景 というかご覧のとおりの典型的貨車駅
ホームから構内を見るかつては交換可能だった構内
今では棒線駅となってしまいました
貨車のペイント&花壇美留和小学校の児童たちにより、綺麗に塗装され整備された貨車待合室&花壇
両側は柵になっていて、必ず貨車を通らないと構内に入れない、珍しい構造になっています
貨車内部貨車の中には、小学生たちの研究発表が所狭しと展示されてます
そしてゴミ袋もありますが…空き缶から漏れた清涼飲料水が垂れ出してしまっています…(T_T)
甘い香りに誘われ、中にはアブがたくさんいました。しかも暑い!
美留和小学校の生徒たちによる研究発表研究発表もじっくり見たかったのですが、アブと暑さに耐え切れず、早々に退散(^^;;)
駅前道路駅前は小集落
阿寒バス美留和バス停時間があったので国道に出てみたら、あらら、阿寒バスのバス停が。
阿寒バスのホームページを見てもこういう情報は出ていません。駅めぐりには重要な情報なのですが…って誰もそんなシュミのためにサイトづくりはしませんよね…(^^;;)

…と思ってたら世の中にはそういうサイトがなんと存在していました!
詳細は→blog投稿へのコメントをどぞ
駅標&2ショット駅標&2ショット

 この後、勤務先から貸し出されたmova機で川湯温泉タクシーに電話、川湯温泉駅へのタクシー配車を依頼。あぁ今回はタクシーの準備だけはしっかりやっているのだが、地図がなかったりして、まだまだ旅慣れなさを露呈してしまっているなぁ。


Section 28-10
どーりで所要時間、時刻表上でも長いわけだ…

美留和 18:57→川湯温泉 19:07
普通 4742D(キハ40 738)

 やってきた川湯温泉行だが、なんとキハ54系ではなく、北海道にうじゃうじゃいる旧式のキハ40!
 行程を組む際、時刻表を見て「所要時間が微妙に長いなぁ」と感じていたのだが、なるほどそういうことだったのね。(^^;;)
 先客は2人で、私を合わせた3人が終点まで乗車。美留和にはトイレがなく、ちとガマンしていたのでまずはそちらを済ます。
 …と、下半身がラクになるにつれ、なんだか右腕にかゆみが走ってくる。何かと思ったら、

思いっきりブヨが吸い付いていた

 という…笑
 さすがにつまんでポイしたが、やはりかゆいものはかゆい。掻き掻きしながら10分もかけて川湯温泉に到着。


Section 28-10-1
タクシーでなんとか戻る&遅い食事

 すっかり日が暮れた川湯温泉駅、他の2人はそれぞれ迎えに来ていた車に乗り込み去っていく。そして私は、バッチリ待っていてくれたタクシーに乗り込んで、曲がりくねらずに(笑)川湯パークに直行。
 運転手さんと少しお話しできたが、やはりこの日の暑さは尋常ではないらしく、「10年ぶり」とのこと。後日、過去の天気データベースで調べたところによるとこの日の川湯の最高気温はなんと30.1℃で真夏日! そりゃ暑いわけだ…
 運転手さん曰く「夏暑いと冬しばれるんだよねー」。どちらかというと、冬の心配が強そうな運転手さんだった。

 部屋に戻ると、さすがにイラついている母の顔。笑
 まーまーってことで1階の食堂に降り、 やっぱりこりゃ国民宿舎だなぁっていう感じのお食事をいただく。もちろん旅館らしく(あいや、ホテルかここは。笑)、おかずの方が多いため、母と共謀してビール2本もいただく。(食事内容は、→こちらのページに出ているものとほとんど同じでした)


Section 28-10-2
国民宿舎ホテル川湯パークの湯

 さて、というわけでいよいよ別浴チャレンジ。といっても以前の会津宮下であったようなドラマティックな展開はなく、しかたなく1人で男湯ですよ男湯。(トホホ)
 だがしかし、食事直後のせいか中には誰もおらず。拍子抜けしてお湯に入る。
 …といっても、当時は現在の温泉blogで紹介しているような味わい方ができておらず、「あー酸っぱいなぁ〜〜☆」という程度だったのだが、そのときの感覚を現在の知識にあてはめてみると、

…こりゃいけません!

 という感じになるのだろうか。(^^;;)
 ここ川湯パークはどうやら独自源泉でかつ掛け流しではあるのだが、投入量はさほど多くはなく、かつお湯は微青白濁していた。いや、酸性硫黄泉なので白濁してもおかしくはないが、しかしそれは、イコール

湯が劣化している

 ということのような気がする。(^^;;)
 ただ、公式Webサイトに出ているお風呂の画像では、お湯、ほとんど白濁してないんだよなぁ…このときは確かに投入口から白濁していたのだが…うーむ謎。

 なお、「酸性硫黄泉」と上記では大雑把に書いているが、現代的な正式の泉質名は「酸性含硫黄・鉄(II)−アルミニウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)」である。
 まず、酸性であるため、冒頭に「酸性」がつく。さらに、総硫黄および鉄(II)イオンの含有量が規定値を超えているため、その旨冠せられる。その次は主な陽イオン・陰イオンの名前が列挙される。また硫黄分のうちで遊離硫化水素が多いのでその旨がカッコ書きされる。最後に、酸性で浸透圧が細胞液より低くて湯温が高い旨がカッコ書きされる。
 …っていうかこんな長い泉質名、誰が覚えられるんだろう…^^;;


Section 28-10-3
仕事のメールが本当に来るとは思わなかった、笑

 とりあえず無難に(笑)温泉を味わい、部屋に戻ってみると、ぬわんと仕事先から仕事のメール…笑
 まさかホントにくるとは思ってもみなかったが、i-modeメールの返事で間に合うレベルの質問だったのでほっとした。
 というか、こういうメールを受け取っても動じない自分が今、ここにいるのだな、あぁこの度でリハビリきちんとできているのだなぁ、と、ちょっぴりうれしくなった。そしてその記念に自販機で缶チューハイを買い、ぐびぐび呑みながら就寝した。おやすみなさーい☆


今日の出費

摘 要 支出金額
北海道ペアきっぷ(グリーン車用) 1人日ぶん 4514
北海道ペアきっぷ(グリーン車用) 1人日ぶん 母用 4514
根室バスターミナルコインロッカー 300
根室交通 根室−納沙布岬4枚回数券 3570
鈴木食堂 サンマ丼&鉄砲汁×2 2800
緑茶うらら500ml 130
いわしのほっかぶり 790
釧路春採そばずし 640
サッポロクラシック500ml 300
氷結バレンシアスパークリング500ml 215
緑茶うらら500ml 130
タクシー 摩周駅→摩周第一展望台 2980
摩周ブルーソフト×2 600
阿寒バス 摩周第一展望台→川湯温泉 710
阿寒バス 摩周第一展望台→川湯温泉 母用 710
温泉たまご5個 400
阿寒バス 川湯温泉→JR川湯駅 280
運賃 川湯温泉→美留和 220
運賃 美留和→川湯温泉 220
タクシー 川湯温泉駅→川湯温泉 1090
巨峰サワー350ml×2 300
今日の小計 25413
今日までの米沢泉美 全駅制覇累計 297992
今日までの総プロジェクト累計 508286

 ここでいう支出では、前売りの乗車券類の購入など、 本旅行中で後日行使するきっぷの購入は計上しません。そのかわり、 前もって買っておいたきっぷの行使は計上します。また、青春18きっぷ等の「複数人日分乗り放題となるきっぷ」については、1人日分の値段を計上します。割り切れない場合は、1円未満の端数分を初回行使分に上乗せします。



Written by Yonezawa Izumi <izumi@nurs.or.jp>
Last Update: 2005/05/19
鉄分補給にご協力ください。